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参考教材
「英語で語る日本事情」(JapanTimes社刊)
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■試験傾向分析(3)ー日本事情関連問題に対するソリューション

Part III:日本事情関連知識
江口裕之
最高教育責任者
江口裕之

■日本事情関連知識問題の最新傾向

傾向として、日本の文化・生活に関する外国人からの質問に英語で答える、課題英作文の形が多く見られます。その特徴を挙げておきます。

  1. 日常の生活習慣や文化側面に関する問題が中心である。
  2. 一部、答案に含めるべき情報が提供されている問題があり、条件に沿った内容にする必要がある。
  3. 質問者が外国人という設定になっているため、外国人の立場から理解しやすい説明にする必要がある。

日本事情関連知識問題は、毎回出題傾向が大きく異なる分野です。しかし、どのような出題形式であれ、外国人が疑問を持つ内容について英語で説明するという基本の立場は変わりません。日ごろから、日本事情に関する知識欲を高め、幅広い角度から日本事情を解説してある参考書に目を通しておくべきです。CEL英語ソリューションズ最高教育責任者 江口裕之、CEL英語ソリューションズチーフインストラクター ダニエル・ドゥーマス 共著の『英語で語る日本事情』(The Japan Times社発行)をご一読ください。

■日本事情関連知識問題の実際例

例題1:2007年度問題:2番より抜粋

春先に花粉症用のマスクをしている人がたくさんいるのを見て、あなたが案内していた外国からの訪問客が、「何か伝染病でもあったのですか?」と聞きました。その人に、(1)マスクは花粉症のためであること、(2)日本で花粉症が多い理由、の2点に触れ、英語で説明しなさい。語数は特に制限しないが、解答欄の範囲内に書くこと。

【着眼点】

解答に含めるべきポイントを整理しましょう。

  1. マスクは花粉症のためである
    →それらのマスクは伝染病ではなく、スギ花粉から自分を守るためのもの。スギ花粉は日本人が患う花粉症の最大原因の一つである。
  2. 日本で花粉症が多い理由
    → 戦後、政府は木材需要を見込んで大規模なスギ植林を促した。現在スギ林は成熟段階にある。だが、伐採コストの上昇と廉価な輸入材の増加で伐採が行われていない。春先には、スギから膨大な量の花粉が出てスギ花粉アレルギーを患う日本人が多い。

花粉症の増加は、食生活や自然土が少なくなった都会の環境など、様々な理由が絡んでいますが、そのようなアレルギーは世界中で多くなっています。ですが、設問には「日本で花粉症が多い理由」とあり、日本固有の原因として考えると、やはり、このスギ問題に絞った方が明確な解答になるでしょう。解答作成に関しては、CELのガイドコースの基本教材『時事・ガイド用語リスト&日本事情関連英作文ハンドブック』Part IIの(3)にずばり「日本人にはどうして花粉症の人が多いの?」という質疑応答例があり、それを応用すると簡単です。(解答例の下線部分が同教材からの引用です。)

【解答例】

Those masks are usually for protecting themselves from cedar pollen, not from an infectious disease. Cedar pollen is one of the main causes of hay fever among the Japanese. After World War II, the government planted thousands of acres of Japanese cedar trees in order to increase the supply of timber. The forests are now mature, but they are not being used for timber due to the high cost of logging and the cheap supply of foreign timber. In spring, they produce a large amount of cedar pollen, causing many Japanese to suffer from a cedar pollen allergy.


例題2:2006年度問題:2番より抜粋

富士山(Mt. Fuji)の魅力,美しさ,日本人が富士山に対して持つ感情や思い入れ,信仰心などを,外国からの訪問客に英語で説明しなさい。語数は特に指定しないが,解答欄の範囲内に書くこと。

【着眼点】

解答に含めるべきポイントを整理しましょう。

  1. 富士山の魅力
    → 富士山は標高3,776メートルで、日本最高峰である。富士山はその美しさ、親しみやすさ、威厳において日本人を昔から魅了してきた。
  2. 富士山の美しさ
    → 富士山の美しさは、均整の取れた円錐形の姿にあり、冬に雪を戴いた姿も美しい。
  3. 日本人が富士山に対して持つ感情や思い入れ
    → 日本人は、富士山を日本の象徴と考え、特別な思い入れを抱いてきた。その思い入れは、北斎の富嶽三十六景の人気にも見られる。
  4. 信仰心
    → 富士山は進行の対象として昔から崇拝されており、神が存する神聖な山とされてきた。

この解答構成で工夫した点は、(1)の「魅力」と(2)の「美しさ」は意味的に重複であるため、(1)の内容を(2)〜(4)のIntroductionという位置づけにしたところです。つまり、(1)において、(2)で紹介する「美しさ」、(3)で紹介する「親しみやすさ」、(4)で紹介する「威厳」にあらかじめ言及するという形を取りました。さらに、(3)では外国人がイメージしやすい北斎を入れたところもちょっとしたコツです。全体は次のような英文になります。

【解答例】

Mt. Fuji is the highest mountain in Japan at a height of 3,776 meters. The mountain has long appealed to the Japanese for its beauty, familiarity and solemnity. The beauty of the mountain lies in its symmetrical cone shape which is capped in snow in winter. The Japanese have a special attachment toward Mt. Fuji, considering it to be Japan's symbol. Such affection can be seen in the popularity of the 36 depictions of Mt. Fuji by Hokusai of the early 19th century. Mt. Fuji has also been an object of religious worship, long regarded as a sacred mountain of the gods.


例題3:2005年度問題:3番より抜粋

あなたの外国人の友人が「単身赴任ってなんですか?」という質問をしてきました。この問いに対して(1)単身赴任の意味を英語で説明し、(2)さらにその社会的背景を英語で説明しなさい。字数制限はないが、与えられたスペースに収めること。

【着眼点】


解答に含めるべきポイントを整理しましょう。

  1. 単身赴任の意味:単身赴任とは何か?
    (a) 異なる地や海外に転勤になったときに、家族を後に残し、単身で赴任することを言う。
    (b) 日本ではよく見られる傾向である。

  2. その社会的背景:なぜ単身で遠隔地へ赴任しなければならないのか?
    (c) 家族全体が新しい地へ引っ越すのは難しい。
    ⇒ 家を既に買ってしまった
    ⇒ 妻が仕事を持っている
    ⇒ 子供の教育/転校させたくない
    (d) 昇進と昇給のためには転勤は断れない場合もある。

以上の点を含めて解答を作成すると次ぎのようになります。

【解答例】

Tanshin funin is the practice of workers leaving their families behind when they are assigned to work in a different city or overseas. The practice is common in Japan because it is sometimes quite difficult for the whole family to move to a new city. The family may have already bought a house, or the wife may have a job. There is also a concern about the children's education. On the other hand, refusing an new assignment could be detrimental to one's promotion and future salaries. Some people have no choice but to leave their families behind.


例題4:2004年度問題:4番より抜粋

現在日本では、大変な「ペットブーム」であるといわれています。このようなペットブームが起きた背景、現状、問題点について、外国からの訪問客に英語で説明しなさい。特に語数は指定しないが、与えられた解答スペースの範囲内に収めること。

【着眼点】

解答に含めるべきポイントを整理しましょう。

  1. 「ペットブーム」の背景
    ⇒ 少子化・高齢化で単身世帯が増えており、ペットがよき友となることに言及します。
  2. 「ペットブーム」の現状
    ⇒ ブームとともにペットグッズが多様化し、ペットサービスも充実してゆくという予想を述べます。
  3. 「ペットブーム」の問題点
    ⇒ 責任感のない飼い主も多く、ペットを捨ててしまう人がいることに触れます。
  4. 解答は与えられたスペースに収めること。
    ⇒ 本試験用紙では、B4縦で空欄縦幅約10cm。1行につき10語入るとして、60語以上は必要だと思われます。

【解答例】

The number of single-person households has increased in Japan. This includes elderly people and young unmarried people. People who live alone might decide to get a pet to provide companionship. As more people decide to get pets, we see an increase in shops selling pets and pet products. We also see apartment and condominium advertisements which clearly state that they allow pets. Unfortunately, there are problems associated with the pet boom. Some people don’t know how to properly care for their pets and in some cases people abandon their pets. (90 words)



例題5:2003年度問題:3番より抜粋

あなたが外国人観光客に日本の街を案内したところ、その人が廃業した銭湯を指さしてあれは何かと尋ねました。この質問に関して、銭湯とは何か、そして銭湯が廃業する社会的背景、という二つの点に必ず触れ、英語で答えなさい。

【着眼点】

解答に含めるべきポイントを整理しましょう。

  1. 銭湯は数世紀の間、単なる風呂だけでなく地域社会の社交の場としても人気を誇ってきた。
    → 銭湯の意義についても言及する。
  2. 料金は数百円で、男女別になっており、入浴用の大型浴槽と身体を洗う設備がある。
  3. かつては各地域に最低1件は風呂屋があったものだが、風呂を持つ家庭が増えて、昔ながらの銭湯の多くが廃業へと追い込まれている。

【解答例】

That used to be a public bathhouse or “Sento.” Sento have been around for several centuries, and have served both as bathing facilities and as a meeting place for people in the community. A typical sento charges a few hundred yen and has separate areas for men and women. Inside, there is a washing area and a large tub for soaking. There used to be at least one sento for each community. Now that most Japanese homes have their own baths, the popularity of public baths has declined, and many of the traditional sento have been forced out of business. (100 words)


■日本事情関連知識問題に必要な英語力

さて、上記の内容をまとめると通訳ガイド(通訳案内士)試験の『日本事情関連知識問題』は、相手の疑問に対して柔軟に対応し、あらゆる角度から自分の考えを説明する力が必要です。丸暗記に頼り過ぎるとこの柔軟さが欠けてしまいます。基本情報は暗記に頼らざるを得ませんが、そこから先は、自分で「考える」「工夫をする」という姿勢を大切にしましょう。

■CEL英語ソリューションズからの提案

ここでCELから通訳ガイド(通訳案内士)第1次試験の『日本事情関連知識問題』に対処するための4つのソリューションズを提案します。

☆ソリューション1 慣れる
日本事情に関して日ごろから関心を持ち、解説本などに目を通しておくこと。

☆ソリューション2 自分の英語で表現
丸暗記に頼らず、自分の発想を自分の英語で表現できるようにするため幅広い表現力を身につけること。

☆ソリューション3 説明を受ける立場で説明
一人よがりにならず、様々な角度から、聞き手の立場を優先して説明をできるようにすること。

☆ソリューション4 会話練習と同時進行
内容的にはガイド第2次試験で問われる設問と似ています。ガイド第2次試験対策のコミュニケーションクラスを通じて、アウトプットの練習を日ごろから積んでおくこと。

■オープンスクールで実践練習

CEL英語ソリューションズでは具体的に上記4つのソリューションを英語学習に組み入れるための方法を「通訳ガイドコース」にて皆様に提供させていただいております。まずはCELの授業を無料でご体験いただけます「オープンスクール」にご参加いただくことをお薦めいたします。


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