英検準1級試験情報

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英検準1級1次試験速報まとめ

2012年度第2回試験(2012年10月14日実施)

全体の講評

 今回の合格最低点は、前回と同じ69点となりました。
 大問1番語彙問題は通常どおりの難易度。句動詞は比較的正解しやすかったのではないかと思います。
 大問2番・3番のテーマはいずれも英検らしく、今回もバラエティに富んだ興味深いものばかりでした。大問2番空所補充問題のテーマは、"Work and Gender in the United States"と"E-therapy"(インターネットを利用した精神療法)。いずれも英検ではよく出題されるテーマでした。大問3番内容一致問題の2題目は、"Brain-Computer Interfaces" センサーを脳に埋め込むことなく、頭部につけた電極によって脳内インパルスを読み取る画期的な方法)。"Brain-Computer Interfaces" は、CELでも夏期の英検1級模擬試験コース、分野別対策コースでも扱ったテーマでした。今回はそれよりもやや易し目に書かれた準1級での出題でした。内容一致問題3題目のタイトルは、"Fordlandia"。このタイトルを見て「?」となった方も多かったかも知れません。でも慌てるには及びません。きちんと最初のパラグラフで説明されています。1927年にHenry Fordがブラジルに建設したゴムのプランテーションの本拠地のことでした。アメリカの伝統的なコミュニティを理想として計画されたが…。
 大問4番 英作文。形式は通常どおりE-mailの返信でした。トピックは最近のトレンドについての意見、日本の習慣や日本人の好みなどが多いのですが、前回に引き続き、すべてが日本(日本人)についての質問でした。
 リスニングPart 1の出題傾向は通常どおり。難易度も標準です。
 リスニングPart 2は全体に難しいパッセージが並びました。平均点はやや下がると予想されます。
リスニングPart 3の難易度は前回と同程度でした。No. 27以外は問題傾向に変化は見られません。 配点が2点ですので、落ち着いて聴き、確実に得点したいところです。

CEL解答はこちら>>

☆試験問題(リスニング含む)はこちらの日本英語検定協会のサイトで公開されます。


問題毎の講評

[1]語彙・熟語問題

 驚くような出題もなく、全体の難易度も標準的でした。英字新聞などを読むために必要な語彙レベルです。
ここでは正答率が低いと思われる問題をあげていきます。カッコの数字が問題番号、続いて正解の選択肢番号、選択肢単語あるいは句動詞です。
(3) 2 abridged(要約された、短縮版の)。辞書でも簡略化されていない一番大きなものを unabridged dictionary と言いますね。 (5) 1 supernatural(超自然の)。Superは「〜を超える」の意味。supernatural powers で「超能力」。英検では、やや意外な出題でした。 (6) 3 astray。go astray で「行方不明になる」。形容詞のstrayでは、stray dog (野良犬)、stray bullet(流れ弾)など。 (8) 2 unanimously(満場一致の)。1級レベルの単語。今回、久しぶりに副詞が出題されました。2008年第3回以来です。副詞の選択肢は、形容詞の意味が分かっていれば解けるとはいえ、直近の過去問題にはない出題でしたので、びっくりされたかもしれません。 (9) 1 shrewd (抜け目のない)は、1級で出題されてもおかしくない、難度の高い単語でした。正解された方に拍手!! (10) 3 preconceived。conceive(〜だと考える)にpreがついたもので「先入観を持った」の意味。「多くの人はメキシコがどんな国なのか先入観を持つが、実際に行ってみると違うことが多い」との意味。 (11) 4 notify(〜に通知する)。notifyはなじみのある単語だと思いますが、そのあとの 30 days in advance が副詞句になっていて、文型を分かりにくくしていました。 (13) 2 scanty わずかな)。 (17) 2 privatize、郵政民営化を思い出します。 (18) 4 selective えり好みする)。selectの形容詞だと気づくと正解できたのではないでしょうか。 (20) 2 intelligible、これは難問でした。intelligentを思い浮かべてしまうと選べません。ここでは「留守電が妹からとはわかったが、内容はよく理解できなかった」の意味。言い換えるとunderstandableでした。 (23) 2 grow out of 「(指しゃぶり) をしなくなる」。成長して(grow)、指しゃぶりの習慣から脱する(out of)ということで、理解できたのではないでしょうか。10歳になっても、寝るときにはつい癖が出てしまうのかも知れません。 (25) 1 put forward。文字通りには「〜を前に置く」。提案や意見を「提出する」の意味です。初めて出会った表現だとしても、単語単位の意味から推測できる範囲の出題でした。

 1番語彙・熟語問題は、全体として7割、25問中18問正解が目標です。

[2]空所補充問題

*1題目: Work and Gender in the United States
  最近の問題の中ではかなり読みやすく、空所も入れやすかったのではないでしょうか。
米国において、職場と家庭での男女の労働時間の差は以前より減少したが、いまだに賃金差があるとの内容。時間があり文脈さえとれていれば、選択肢も迷うものはありませんでした。
 全問正解したいところです。

*2題目: E-therapy
 こちらも読みやすいパッセージでした。
29番は段落最後の「セラピストのオフィスで行われる」から、正解は3 face-to-face interaction。インターネットでの治療と対比されています。
 30番は、空所補充では頻出のつなぎ言葉。空所前で「良い結果が得られる」とあり、「ひとつには…」の意味で 1 For one thing が正解。2行下には、「さらに…」の意味で What is more, があり、正解選びの大きなヒントになっています。
 迷うとしたら31番。「意見を患者に伝える」の3番を選んでしまいそうですが、ここでは前の行のdetectの言い換えですので、2 gain an understanding of  が正解。カウンセリングはface-to-faceが常識かと思っていたところ、ネット利用の遠隔療法にも効果あり、との内容が興味深いパッセージでした。

 2番空所補充問題は標準より易しい問題でした。6問中5問は確実に正解したいところです。

 

[3]内容一致問題

*1題目: Offshore Fish Farms
 米国政府による、沖合地域での魚の養殖計画。貿易赤字軽減と経済刺激策の一環だが、そこには弊害もあり困難を伴うとの内容。選択肢が巧妙に作られており、1題目としては難しかったと言えます。
 33番の設問は、第2パラグラフが正確に読めていないと、どれも正解に見えてしまいそうです。正解は2番。ちなみに、4番のような、問題は資金不足という内容は、不正解の選択肢によく見られます。 34番の正解は1番。他の選択肢はどれも書かれていないので、消去法でも正解が選べたかと思いますが、本文の内容からcompetitiveを読み取るのは難しかったと思います。

*2題目: Brain-Computer Interfaces
 難しい問題セットでした。英文自体は難しくないのですが、内容が込み入っていること、なじみのない内容であることから苦戦された方が多かったのではないかと思います。 CELの英検1級模擬試験コース、分野別対策コースにてこのテーマを扱った際にも、わかりにくい内容であるとの声が聞かれました。けれども1度触れておくと、背景知識として蓄積され、本番では格段に読みやすくなるはずです。日常から、すべてが理解できないにしても、新技術や研究についてのニュースや新聞・雑誌記事、テレビ番組などを通じて、興味を持って知識を増やす心がけが大切です。
 難問でした。2題目を全問正解された方はかなりの英語力をお持ちです!

*3題目: Fordlandia
 こちらは読みやすい文章でした。設問も素直で迷うことはなかったと思います。その中で、やや選びにくかったのが41番でしょうか。
 41番は、第3パラグラフの内容から2番が正解。本文の his own engineers が選択肢では Ford’s staff に言い換えられ、選択肢の in a way は、木と木の間隔を置かずに植えてしまったことを指しています。間違えそうなのが1番の選択肢。本文で native rubber trees と言っているのは、ブラジルの木のことでアジア原産の木ではありません。

 大問3番のまとめ。最初の2題はかなり読みにくく、Fordlandiaは易しい英文でした。1、2題目が易しく、3題目が難しかった前回とちょうど反対。バランスがとれているとも言えますが、最初の2つで予想外に時間を使ってしまい焦ってしまう結果になったかも知れません。

 

[4]英作文

E-MAIL
Dear Katsuo,
I read an interesting article about money yesterday. It said that many Japanese people prefer to use cash instead of credit cards. What do you think is the reason for this?
The article also said that the Japanese government will raise the consumption tax, so people will pay more tax on products they buy. Do you agree with the government’s decision to do this?
Speaking of money, it’s common for parents in the U.S. to give their children an allowance. I give my son $10 each week. In your opinion, is it a good idea to give children an allowance?
Write back soon.
George
**********************************************************
 E-mail writingのトピック:
(1)なぜ日本人はクレジットカードよりも現金を好むのか?
(2)日本政府の消費税アップの決定に賛成か?
(3)子どもにお小遣いを与えることに賛成か?

 消費税に関する質問はやや意外でしたが、いずれも身近な話題で理由付けもしやすかったのではないでしょうか?それぞれの質問に対して、意見を述べ、続いて簡潔に理由付けをする、という要領でまとめましょう。
 大問4番では、時間配分も大切です。ここで時間をとってしまうと読解問題への対応がおろそかになってしまいます。20分以内におさめることを目標にして、E-mail形式の英文を書く練習を普段からしておくと良いでしょう。
 以下にCEL作成の Model Answer を載せてあります。参考になさってください。

Model Answer
Dear George,
Thanks for your e-mail.
You’re right. Japanese people usually pay in cash when shopping. With low crime rates, it’s safe to carry a large amount of money.
I partially agree with the government’s plan to raise taxes. Tax revenue needs to be boosted to finance various public services, but they should not raise the tax on daily necessities such as foods.
Concerning the last question, giving children an allowance is an effective way to teach them a sense of money. In fact, most parents in Japan also give their children an allowance.
Take care.
Katsuo
 (97words)

 

[5] Listening

【Part 1】
 出題傾向はこれまでどおり。難易度も標準的です。正答率が低いと思われる問題のみ解説いたします。
No. 2 歯科医と患者との会話。ここでの major work とは、大がかりな歯科治療のこと。会話では抜歯することを take out と言っているところを正解の選択肢 3ではremoveに言い換えています。
No. 5 息子と母親の会話。息子が If I could borrow ...  と言っているところを、正解の選択肢 1 では母親の立場から言い換えて、Lend him some money. としています。見抜けましたか?
No. 6 男性が女性に日本語を教えて欲しいと依頼。女性は忙しいので女性の母親が教えることに…。質問は What does the man want Yukiko to do? なので本来はユキコにお願いしたかったと考えて選ぶと、正解は 2 Help him practice his Japanese。
No. 9 フェスティバルでの夫婦の会話。会話では女性が browse(〜をぶらぶら見てまわる)と言っているのを、選択肢では look at に言い換えて、正解は 3 Look at the arts and crafts. になります。
No. 10 hit the books (勉強をする)、texting his buddies (友達に携帯メールを送る)、surf the Net (ネットサーフィンをする、インターネットでいろいろ見て回る) といったくだけた会話表現が登場。英検でもtextingが普通に使われるようになりました。
No. 11 選択肢の3番、4番が2行に渡っていて、長いのでびっくりした方も多かったことでしょう。全体を見ても前回よりも選択肢が長めになっています。2012年度第1回のPart 1 選択肢の語数の合計は 262 words、 今回の第2回は 285 words ですので、やや負担増といえます。

【Part 2】
(A) Getting the message
 若者はコミュニケーション手段としてsocial networking sites (SNS=social networking service)をより多く利用し、E-mail利用が減っている。一方ビジネスにおいてはフォーマルなE-mailが好まれるとの内容。E-mailが formal way だとの見解が面白い。

(B) The rise of bedbugs
 bedbug(トコジラミ)の被害やビジネスへの影響について。聴き取りが難しいパッセージでした。
No. 15 正解の選択肢 2 では、threatening the reputations of famous stores and hotels を damage a business’s public image と言い換えています。
 No. 16 本文の ... have long been banned が選択肢4では cannot be used に該当します。
(C) Dumpster pools
 不要になったゴミ容器(dumpster)をプールにリサイクル。安価で環境にも優しいということで注目されているとの内容。イメージしにくかったかも知れません。
 No.17の正解の選択肢4では、recycleをreuseに言い換えていました。
(D) Paying for pet care
 米国でのペット医療について。ペットに過度な治療を施すことへの批判もある一方、人間の治療に応用できるとの効用も。このパッセージも準1級としては難しかったと思います。
(E) Weed invades Kenia
 ケニアで繁殖する雑草(weed)について。他の植物の成長を妨げる化学物質を分泌し、動物や人間にも悪影響をもたらすという内容。難しいパッセージが続きました。
(F) Staying healthy in China
 中国における野菜の摂取量と肥満との関連を裏付ける研究結果について。パッセージは聴きやすいですが、No.24は難問でした。  

 今回のリスニング Part 2 は全体に難しいパッセージが並びました。平均点はやや下がると予想されます。

【Part 3】
 今回の Real Life 問題はすべて直接話しかける形式で、以下の内容で出題されました。 
(G) 不動産業者からのアパート情報
(H) 職場の上司からの指示。新コンピューターシステムのトレーニング への参加について
(I) レンタル自転車の窓口で。子供用自転車に関する規則など
(J) 獣医から手術後の犬の世話で注意すべき点について
(K) 職場の上司からの指示。オフィス移転の準備について

 (G)は問題なし。落ち着いて聴き取れれば正解が選べます。
(H)で、Please see me... と言っているmeが、managerだということがSituationに書かれています。慌てているとつい見逃してしまいそうです。
 (I) 自転車をレンタルする際にするべきことを選ぶ。難しくはなかったですが、全体を聴いて一つずつ選択肢を消去していく新傾向の問題。とまどった方もいらしたかと思います。
 (J) これも注意深く聴いていないと聞き逃してしまいそうです。Part 2 (D) に引き続きペットの話。犬が手術して退院するときの注意でした。
 (K) オフィス移転に関する連絡。内容を把握しやすく正解を選びやすかったと思います。

 リスニング Part 3 の難易度は前回と同程度でした。No. 27以外は問題傾向に変化は見られません。 配点が2点ですので、落ち着いて得点したいところです。


( 2012/10/19更新 )

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