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英検1級試験情報

英検1級試験情報
英検1級1次試験速報まとめ

2016年度第2回試験 (2016年10月09日実施)

全体の講評

 全体的に前回より難化です。エッセーは国際政治トピック。リスニングのイギリス人女性は新しい方でしょうか。Part 4のインタビューに答えるイギリス人男性の英語も聴きにくいものでした。Readingが前回より明らかに難化、Listeningもやや難化。加えてエッセーも意外なトピックで理由を考え込んでしまったかも知れません。平均点が下がると予想され、合格ラインはかなり読みにくくなります。
 誤解があるといけませんので念のため。今回の1級が「難化」というのは、あくまで前回と比較してのお話です。前回がリニューアル初回でかなり易しめでした。過去にさかのぼると、問題自体はもっと難しいときもありました。前回の読解問題は、空所補充、内容一致とも大変読みやすいパッセージでした。比較すると今回はいずれも読みにくく、戻って読み返したりと焦って時間がなくなってしまった方が多かったのではないかと思います。ただ内容一致問題3題目の選択肢は比較的素直で、本文の詳細まで理解できずとも正解できるものが目立ちました。短時間で大まかな内容を把握できる方にとっては、難しくは感じられなかったかも知れません。例えば帰国子女がそれに当たりますが、内容はいずれもかなり「大人っぽい」ものでした。

CEL解答はこちら>>

☆試験問題(リスニング含む)はこちらの日本英語検定協会のサイトで公開されます。

問題毎の講評

[1]語彙・熟語問題

 前回は、eminent、lethal、immunity、precipitationなど、準1級で出題されそうな語彙が見られましたが、今回はそれがほとんど見られず、1級らしい単語が並びました。ただし、過去に出題された単語も多く、対策をしていた方にとっては大きな得点源になりました。リニューアルにより前回から大問1、2、3のすべての問題の配点が均等になりましたので、語彙問題は読解問題に比べて短時間に得点を重ねることができます。
(1) ... lived in the mountains までで、2 hermit(隠遁者)が選べます。時間節約のためにも、このような問題はすべてを読む必要はありません。glutton(大食漢)も無きにしもあらずと今思いましたが、ちょっと笑ってしまいます。
(2) 記者会見でしょうか?俳優さんが離婚について聞かれて。divorceを言い換えたのが、3 disintegration (of his marriage)。「崩壊、分解」。
(3) これも1級ではおなじみの単語。1 banal「陳腐な、平凡な」。originalの反対です。授業でも、banal jokeなどで覚えていただきました。あまりに何度も繰り返していたので、それこそがbanalと思われていたかも・・・。
(4) 政治家のスピーチが視聴者をupsetさせたので、空所はマイナスの内容になるはず。第2文からrespectfulの反対の意味になることがわかり、2 derisive「ばかにするような」。動詞は、deride「〜をあざける、ばかにする」。
(5) これはあやうく引っかかりそうになりました。dogを見たところで、bellow「吠える」を選びそうになったのですが、よく見るとbillowでした。落ち着きましょう!正解は、1 cringed「すくむ、縮こまる」。
(6) その村がDaveをnostalgicな気持ちにさせるので、正解は、1 reminiscent。reminiscent of 〜「〜を思い出させる」。動詞は、reminisce「思い出にふける」。
(7) on the premise that 〜「〜を前提として」。同格の接続詞thatを使った定型表現です。正解は、1 premise。この消費税に反対した政治家は、(4)でばかにした態度を取った方とは別人でしょうか?おそらく。
(8) teaを見た瞬間に、4 brew「〜を煎じる」を選びたい問題。brewは、ビールを醸造するほか、お茶やコーヒーを入れるときにも使います。ティーバッグをお湯に入れて「3分間待つのだぞ!」。
(9) これも1級ではおなじみの「(怒り・不安・苦痛など)を静める」系の 2 assuage。言い換えとして、alleviate、soothe、mitigate、allay、mollifyなどもよく出題される必須単語です。
(10) 選びにくかったでしょうか?正解は、3 ramifications「影響、結果」。動詞は、ramify「分岐する、広がる」。派生的に起きる「結果」なので、通常複数形で使います。言い換えは、consequences、implicationsなど。Leylaが出世の道から外される、という内容なので、4 deviations「外れること、逸脱」は、なんとなくの引っ掛け選択肢になっています。
(11) To make sure ... の部分で、3 reiterated「〜を何度も繰り返す、念を押す」が選べるでしょう。repeatとほぼ同義。接頭辞のre-が大きなヒントですが、これも過去にも何度も出題され、それこそ今回もreiteratedです。今回の語彙問題。問題文が全体にとても真面目、硬い、ネガティブの印象があります。なんとかもう少し明るくしたいところなのですが。明日は「体育の日」ですし。フレー!フレー!!
(12) 「決定的な証拠」の意味で、選択肢を見る前にconclusive、compellingあたりを予想したのですが、正解は、4 incontrovertible「議論の余地のない、明白な」。この単語とは初対面でもcontroversyから正解できたのでは?
(13) だれもが先日の錦織選手を思い出したのではないでしょうか。2 forfeit「(権利など)を失う、剥奪される」。ここでは、怪我をして試合を放棄して破れた、の意味。優勝して欲しかったけれど。
(14) 暗い話題が続いているので、デートに誘ってもまた断られるのかと思いきや、わずかな望みが・・・ 3 tentative「仮の」。「とりあえず木曜の夜で」という少し前向きな回答を得られました。選択肢を見る前には、rain checkなどを予想してしまいました。
(15) 今度は、息子が大学を辞めるという事態に。4 consternationが正解。to the consternation of 〜「〜が驚いたことには、仰天したことには」は定型表現。
(16) 空所後のfromがヒント。1 wrest「(力づくで)〜をもぎ取る、(権力など)を奪う」。wr-は語源的にtwistの意味。無理矢理ねじりとる感じです。3 writhe「(体など)をよじる」も同様にtwistから。授業でもお話ししていたので嬉しい!
(17) これまた穏やかでないお話です。正解は、4 scruples「良心のとがめ、ためらい」。通常複数形で使います。have no scruples about 〜「〜に関して気がとがめない、躊躇しない」の形で頻繁に遭遇。断じて許せない!こんな医師。
(18) 空所後のviolationと非常に相性が良い 3 flagrant「目に余る、はなはだしい」が正解。授業ではflagrant crime、flagrant breachなどをよく紹介しています。安心できる社長さんです。これなら社員もついてくるでしょう。
(19) ウエイトリフティングで筋肉を鍛えている人がついやりたくなることと言えば? 4 flex (his muscles)。「(筋肉など)を動かす、誇示する」。これは過去にも出題がなく、正答率が低いと予想されます。
(20) アリエルが停学となった理由は?先生に対して汚い言葉を言い放った、の意味になるはず。選択肢を見ずにswearwordsなどを予測しましたが、正解はさすが1級、もっとフォーマルな 2 expletives「罵倒語、ののしり語」。これも正答率が低いでしょう。
(21) 主語がmilitaryであれば、すぐに2 maneuvers「機動演習」を選びたいところです。動詞も同形で「〜を操作する、操る」の意味ですが、ここからは結びつきにくかったかも知れません。
(22) 正解は、3 butter up「〜におべっかを使う、〜にごまをする」。日本語では「ごま」をすりますが、英語では「バター」をぬる。他にはpolish the appleというアメリカの俗表現も。
(23) 探偵が近所で聞き込みをしていると聞いて、犯人は落ち着いてはいられません。正解は、1 nosing around 〜「〜をかぎ回る、捜し回る」。鼻の効く犬がくんくんとかぎ回るイメージです。aroundだけで選べたかも知れません。
(24) 医療機関でも心配な出来事が時々あります。正解は、2 tampered with 〜「〜に手を加える」。tamper with the documents「書類を改ざんする」などでも使います。
(25) 目的語のits new product lineを見てすぐに、1 roll out「(新製品など)を公開する、開始する」を選びたいところ。よくあるコロケーションです。知らなくてもoutがヒントになりそう。4つの選択肢を見ると、outを伴うものが2つあり、どちらかが正解であるかのように見えてしまいます。通常、句動詞の問題では、前置詞・副詞を4つとも違うものにするように思います。些細なことですが、気になりました。

大問1番まとめ

 (21)までの語彙問題は前回よりも難易度が高く、特に(19) flex、(20) expletivesが難問。とはいえ、その他は過去問をしっかり学習していればかなり正解できたはず。(22)からの句動詞は近年では最も正解し易い4問と言えます。
前回試験より、1問につき1点という素点の概念はなくなりましたが、合格のためには、7割以上正解することが目安にはなります。大問1番であれば、25問中18問は是非正解したいところです。

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[2]空所補充問題

 今回は2題とも比較的重いテーマで、前回よりも読みにくいものでした。ここは作文を書き終えてから最後に取り掛かる方も多いので、時間が十分に取れなかったかも知れません。6問の中では、(28)と(30)が答えにくい問題でした。

1題目 : HMS Dreadnought

 1906年に進水したイギリス海軍の戦艦Dreadnoughtの意義・役割や、その後の問題点などについて書かれたパッセージ。dreadnoughtは、もともとは「勇敢な人、恐れを知らぬ人」の意味。ところが、その名をつけた戦艦の出現により、意味が変化し「格段に大きい」の意味でも用いられるように。日本語の「ド級」「超ド級」という表現もこの戦艦に由来する。ちょっと古い日本語表現にも思えるが・・・。
(26)には、Dreadnoughtが建造された理由が入る。第2パラグラフ後半のHowever以降がヒント。1900年代初頭、ドイツ海軍が艦船を増強する戦略をとったため、イギリス軍はそれに対抗する必要があった。したがって正解は3番。
(27) 第3パラグラフの内容より。その後、建造された類似艦は「ド級艦」と呼ばれ、ドイツ軍も独自の「ド級艦」を持つこととなる。建艦競争はとどまるところを知らず、第1次世界大戦へと突入する。正解は2番。
(28) 第4パラグラフより。安価で同様の破壊力を持つ魚雷の登場により戦法に変化が見られ、巨大戦艦を用いる戦略はその実用性を失った。正解は4番。relevance=妥当性、有効性。3問中、最も難しい問題でした。
今回は、空所補充問題の1題目に「歴史物」が出題されました。短めのパッセージですが、男性向きのテーマだったかも知れません。

2題目 : Humanitarian Aid in Conflict Zones

 紛争地帯における人道的支援が、実は紛争を長期化させてしまうのだという内容。大変興味深く、試験場で読みながらトピックによってはエッセーのネタとして使えると考えました。
(29) 空所後に具体例が書かれています。94年のフツ過激派によるルワンダ虐殺の際、その犠牲者のために難民キャンプが設置されたが、フツ派もその使用を許可され、支援を受けていたことから、正解は4番。第1パラグラフ最終文で、仮定法過去完了が使われています。「支援団体がもっとdiscriminatingな態度をとっていたなら・・・」実際には、neutralな立場をとっていました。
(30) 人道支援によって軍指揮官らにどのような利益があるのか?空所後を読みましょう。紛争時であっても通常リーダーは民衆に必需品を届ける義務がありますが、支援団体がその負担を肩代わりしてくれれば、指揮官は軍事に専念できる、との内容から正解は1番。ここでの3問の中では最も選びにくい問題でした。narrow down 〜「〜の範囲を限定する、絞り込む」。つまり、必需品調達の義務がなくなったので、prioritiesが少なくなり集中できることになります。
(31) 空所前のWhile節がマイナスの内容なので、空所にはプラスの内容が入るはずと予想できる。ヒントはパラグラフ半ばのNevertheless以降。各分野において改善が見られ、過去の不手際は今後回避される、との内容から正解は2番。選択肢のpast mistakesは、本文最後のprevious failuresの言い換え。人道支援に限らず、We are all learning from past mistakes. ですよね。昨日の失敗は明日の成功への架け橋!

大問2番まとめ

  前回試験と比較すると、2題ともやや読みづらく、選択肢も選びにくいものが目立ちました。ただ、前回がかなり易しかったため、通常のレベルに戻ったと判断するべきでしょう。2題とも「戦い」関連であり、テーマに偏りが?という点が気になりました。

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[3]内容一致問題

1題目: Genes, Disease, and Human Evolution

  英検ではおなじみの人間の進化に関するお話。ヒトとチンパンジーを分かつものは一体何なのか?大問3番の中では、これが最も読みやすいパッセージ。かつ楽しい内容でした!
(32) 第1パラグラフより。多くの生物が生殖期を終えると生涯を閉じるのに、人間はその後も健康で長く生きることができる、との内容から正解は4番。ありがたいことです。mysterious = puzzling, after they are no longer fertile = after the reproductive phase of their life is over。
(33) 第2パラグラフより。ヒトは、アルツハイマー病の危険因子である遺伝子APOE4に加え、それを防ぐための遺伝子APOE2とAPOE3を進化の過程で備えた。ではなぜ、3つを持つ必要があるのか?そのtrade-offとは?そもそもAPOE4には、アルツハイマー病のリスクがある反面、年少時の下痢予防に加え、窮乏状態下で生き延びることを可能にする役割があることから、正解は2番。trade-off「両立しないもの、矛盾」。APOE4には、高齢になってからアルツハイマー病を発症させるtrade-offがあったために、ヒトは他の異形APOE2、APOE3を持つようになった。素晴らしい!
(34)は選びやすい問題。本文下から4行目、the various forms could have evolved ... by random chance alone. とあることから正解は3番。チンパンジーにはなく、ヒトのみが持つ遺伝子は、random chanceによる獲得で、natural selectionによるものではない、という批判。本文最後でVarkiが仮定法によって「反論」している箇所も注目です。

2題目: A Closer Look at the Dust Bowl

 1931年から8年間にわたり、アメリカ中西部の大平原地帯で断続的に発生した砂嵐(the Dust Bowl)の背景とその原因についての考察。タイトルの “Closer Look at ...” から、「一般にはこう言われているけれど、実は・・・」という内容なのだろうと予想されます。歴史、気象、環境、社会、経済などが全て絡む面白いパッセージでした。
(35) 20世紀に入り、入植した白人農民が大平原を農地に変えていくことに。同時期には雨量も多く豊作だったため、彼らは長期的な暮らしの安定を確信した、との内容から、正解は1番。第2パラグラフ半ばの ... lulled farmers into a sense of complacency から、彼らが誤って確信してしまったことが読み取れます。4番の選択肢について。農家は離農し多くが移住しましたが、それによって農地がavailableになったわけではなく、政府の支援などで、ある程度までbounced backしたのみ。さらに、few people were willing to investに当たる記述もない。
(36) Dust Bowlは一般に入植者による無理な耕地化が原因の人災とされている。Worsterはさらにこれを “inevitable outcome of a culture” と表現。a culture を the American practice of ... に言い換えた2番が正解。砂嵐は、アメリカ人が生態系のバランスを壊し、自然を都合よく利用することを優先したことから起きた現象だった。set oneself the task of -ing「〜を目標とする」がprioritizeに言い換えられている。Worsterは、このやり方(culture、practice)を否定的にとらえており、4番の ... necessary for the economic well-being のように「必要だった」と主張しているわけではない。
(37) Cunferは大平原の耕地化がDust Bowlの主たる原因とは考えていない。膨大なデータによると、実際には農地にされていない多くの場所で砂嵐は起きていると主張。砂嵐は19世紀後半にも大平原では繰り返し起きている(recurring)よく知られた現象であることを裏付ける資料もある。したがって正解は4番。

3題目: Disruptive Innovation

 1995年にクリステンセンが提示した「破壊的革新」。既存の技術やビジネスモデルを「破壊」し新たな価値を生み出しつつ顧客を獲得するような、それまでにはないビジネス手法こと。
(38) 馬車の市場が衰退した理由は?第2パラグラフ最後、フォード社が自動車の組み立てライン(= production process)を導入したことにより、消費者に安く車を提供できるようになった、との内容から正解は2番。
(39) メインフレームコンピュータの実績は第4パラグラフに書かれており、これは第3パラグラフの「持続的イノベーション」の実例としてあげられています。顧客のニーズに応じて既存製品に改良を繰り返す「持続的イノベーション」は、他社の「破壊的イノベーション」によって地位を失う可能性がある。正解は3番。
(40) 「破壊的イノベーション」の脅威にさらされた企業が取るべき方法は、第5パラグラフの最後に書かれています。企業内に新たな部門を設置して対抗する、との内容から正解は4番。本文の the establishment of new divisions が、expand the scope of its operations に言い換え。vie = compete。rather than dismantling a business that ... が、while still concentrating on its main business に言い換えられています。
(41) hold water「(容器が)水漏れしない」から「(理論などが)筋が通る、理屈に合う」。King氏のクリステンセンに対する反論は第7パラグラフに書かれています。クリステンセンは77の「破壊的イノベーション」の例を著書にて引用しているが、そのうちの4割は彼の提示する「破壊的イノベーション」の定義を満たしていない。したがって正解は2番。

3番まとめ

 “Evolution”と“Dust Bowl”は、よく出題されるジャンルだが、“Disruptive Innovation” の「経済・経営」分野からの出題は珍しい。ただし、3題の中ではこの4問が最も正解しやすかった。前回試験の内容一致問題が3題ともかなり素直な出題だったのに比べると今回は “Evolution”、“Dust Bowl” で迷う選択肢が散見され「難化」ではあるが、むしろ通常の1級のレベルに戻ったと言うべきだろう。

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[4] 英作文

* Write an essay on the given TOPIC.
* Give THREE reasons to support your answer.
* Structure: introduction, main body, and conclusion
* Suggested length: 200-240 words
* Write your essay in the space provided on Side B of your answer sheet. Any writing outside the space will not be graded.

TOPIC Should democratic nations actively promote the spread of democracy to nondemocratic nations?

 意外なトピックでした。気をつけなければいけないのは「民主主義が良いか?悪いか?」を問うのではなく「民主主義国家は非民主主義国家に対して積極的に民主化を促すべきか?」が問われています。したがって、民主主義の良さを述べるだけでは不十分です。
 「賛成」の立場をとるとしたら、非民主主義国家が存在することでいかなる不利益があるか?それらが民主主義国家になることでいかなるメリットがあるか?二国間あるいは、地球規模で考える必要があります。
 たとえば、民主主義国家においては、国民の意見が反映され、人権が尊重されるが、非民主主義国家においては、政権を倒すためにクーデターなどの手段が用いられ政治的な安定確保が難しいことも。そうなると国連の介入や他国への影響も考えられる。また民主主義国家とは異なり、君主制や独裁制においては国民の意見が反映されないため、ビジネスや金融市場での自由も制限され、海外との取引にも影響する。全てが民主主義国家になれば、さらに自由な経済活動が可能に、などが挙げられる。
 または具体的に、北朝鮮などを例にあげながら、非民主主義国家の存在が世界の他の国々に対してどのような不利益を及ぼしているかを書いても良いでしょう。
 ここからは別の書き方です。TOPICの中のactivelyに注目しました。あえてこの副詞を入れているということは、出題者の意図として「民主化を促すのが望ましいが、積極的に促すべきではない」というNoの回答も期待しているのだと考えます。おそらくYesで答えた受験者が多いと想像します。そんな中で、Noの解答があると採点者も楽しく読むことでしょう。内容が似通っていると、とかく他の受験者との比較で採点されがちですので厳しめの採点になる場合もあるかもしれません。そんな「作戦」もあります。ご参考まで。
 Noの立場で書くとしましょう。「確かに民主化を推進することで世界平和や経済の安定が見込めるかも知れない。ただ、それを他国が積極的に促すべきではない。」などの主張にして、その理由をあげていきます。
 政治形態は、その国の文化、歴史、伝統などを反映している。国によって最善の体制は異なるはずであり尊重すべき。過去の歴史を遡って見ても、すぐれた君主や独裁者が存在した、など。
 または、民主主義における問題点を述べても良いでしょう。実際にはマイノリティの意見が反映されず、政治腐敗も多い。民主主義とは名ばかりの国もある。さらには民主主義国家が介入することで事態が悪化する場合もある、など。

CEL解答はこちら>>

大問4番まとめ

  今回のTOPICは、かなり多岐にわたる理由が考えられるものでした。限られた時間内に構成を組み立てられるかが大きな鍵です。採点は前回から、内容・構成・語彙・文法がそれぞれ8点満点で評価されるように変更されました。結果を待つことにしましょう。

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[5]リスニング

 前回もListeningは難しめでしたが、今回はさらにやや難しくなったかという印象。
 Part 1は、前回と難易度は変わらず。相変わらずシチュエーションがわかりづらい会話が多くありました。選択肢は短めでしょうか。
 Part 2は、全体にパッセージが難しめ。(A)のナレーターは、私の耳と記憶が確かであれば、新人の英国人女性でしょうか。いきなりobesityの発音で「え?」と思い、気を引き締めて聴きました。その後も「焦らせるような」パッセージがあり、聴き逃した部分もありましたが、全体の内容をざっくりと聴ければ正解はできます。選択肢は比較的単純だと言えます。
 Part 3は難化です。これまでも複雑で選びにくい問題はありましたが、今回はそのような問題を集めたセットのようでした。つまり易しい問題がありませんでした。やはりReadingの最後にSituationだけでも読んでおくと良いでしょう。
 Part 4 だれもがPart 3で疲れ果てた後のPart 4は「忍耐力」あるいは「ど根性」測定でした。インタビューを受けるのは英国人男性。発音に特徴があり、しばらく慣れるまで聴きにくいと感じました。ただし話題は日本でのチャリティ事業について。常識的な内容だったので、その意味ではフォローしやすく、選択肢も「いかにも」それらしいものを選べば正解できそうです。


Part 1

 全体的に通常の難易度です。Part 1でよく使われるわかりづらい口語表現は少なかった印象。オフィスでの会話がNo. 1とNo. 10の2問のみで少なめだったのに対して、夫婦や家族での一般的な生活の中での話題が目立ちました。

No. 1 シカゴ支店への栄転のオファーを受けるも、夫や子供の事情により断る女性。Actually, I decided against accepting the offer. の発話から正解は2番。decided against accepting 〜 をchose to turn down 〜 に言い換え。
No. 2 仕事で遅くなり息子Cliveを迎えに行って欲しいと夫に頼む女性。ところが夫は義母を空港まで送迎することになっているため行かれない。I guess he (= Clive)’ll just have to wait for a bit until I get there. と言っていることから正解は3番。
No. 3 女性がバイオリンのレッスンをうけています。師事するMrs. Jacksonについて聞かれ、She’s such a slave driver! と応え、男性も指導を受けた経験から、It’ll be tough. と同意。正解は3番。
No. 4 滞在したリゾートホテルが気に入ったため、10月に再び利用したいと考えているご夫婦。ホテルで、If we stayed for an entire week, would it be possible to get a better deal on our room rate? と尋ねると、October is not our peak season, so it’s probably not out of the question. とホテルの従業員女性が答えていることから正解は1番。better deal = price reduction。
No. 5 男子学生が教授に論文の指導を受けています。I’m concerned about the websites you cited. に続き、Some are questionable, written by amateurs. I’d eliminate those and find more authoritative sources if I were you. と教授が述べていることから正解は3番。
No. 6 男女が増税について話しています。男性が否定的であるのに対して、女性は理解を示しています。The country has been running a deficit for years. Someone’s got to pay the bills eventually. と発言し、最後には、Well, I guess it’s inevitable. としていることから正解は1番。
No. 7 高熱費を節約しようと工夫するご夫婦。男性はLED電球や断熱窓の効果には懐疑的で、I’m skeptical about how much difference all this’ll make. と発言していることから、正解は2番。
No. 8 男性は、目に炎症があるものの保険に加入していないため、眼科に行こうとはしません。眼鏡屋に行き検査することを勧める女性。The eye exam only cost about $25. と言っていることから正解は4番。You’ll have to pay full price for the medication, though. から、3番ではありません。
No. 9 男性が家族4人で、10日間のスコットランド旅行を楽しみました。節約の方法として、The kids were pretty good at finding bargains such as cheap restaurants and coupons on their smart phones, too. と子供たちも協力したと発言していることから正解は4番。それでも豪勢です。
No. 10 オフィスでの3人の会話。人員増員を希望するも経営側に承認されません。売り上げも伸びているのになぜ?This is off the record… と女性が声を抑えて話し始める。実は、政府による法人税の見直しがあるらしく、その結果を見た上で人件費については改めて検討することに。正解は3番です。future tax situationとは、the government’s plan to reexamine corporate tax rates の内容。この会話は情報量が多く、選択肢も長いので、正答率は低いでしょう。

Part 2

 内容的に身近な話題で聴き易かったのが、(A)と(C)。前回はこのレベルの聴き易いパッセージが3つありましたので今回の試験は難化と言えます。予備知識のない話題では、落ち着いて論理的に聴く必要がありました。(C)のクラウドソーシング、(E)のフラッキングは、新しく注目されている分野です。普段から新聞・雑誌などで読んでおくと予備知識として役立ちます。

  1. :  The Obesity Paradox
     イギリス人女性のナレーションで、最初慣れるまで発音が聴き取りにくかったかも知れませんが、大変ゆっくりと読まれていましたので、最終的にはフォローできたのではないでしょうか。テーマは健康・医療関連。  肥満は生活習慣病の原因として知られているが、発症後の死亡率は実は標準的な体重の患者の方が高いという驚きの結果が明らかに(= obesity paradox)。No. 11の正解は2番。  原因として、標準的な体重の人が多く持つ内臓脂肪(visceral fat)が考えられる。心臓や肝臓の周りに脂肪酸が蓄積されると機能不全を引き起こす可能性があることから、No. 12の正解は3番。
  2. :Ancient Forests
     東南アジアの雨林がどのように形成されたのかを土壌に残る花粉から調査。花粉が炭を含んでいたことから火が存在していたと考えられる。さらに、果樹があったことから、自然発火ではなく意図的に土地を切り開き食料確保のために植林をしたと推測できる。したがってNo. 13は4番。  遊牧民には土地の所有権を与えない国もあるが、実際には、原住民は何千年もにわたり雨林を管理していたことから、正式な土地の所有権を主張できるのではないかという内容で、No. 14の正解は1番。質問が、what might the team’s findings allow indigenous peoples to do? で、allow 〜 to doの聞き方をしていたのがわかりづらかったかもしれません。パッセージでの、… could help indigenous peoples prove legal ownership of their lands. が、選択肢ではclaim ownershipに言い換えられていました。  
  3. : Crime Fighting Through Crowdsourcing
     インターネットを利用して不特定多数の人々に仕事を依頼するクラウドソーシング。最近では犯罪対策としても活用されているという、新しく興味深い内容でした。  クラウドソーシングは、カナダでの暴動における容疑者検挙にも効果的だったがそこには問題点も。提供される情報量が多すぎ警察が処理しきれないこともあることから、No. 15の正解は4番。get overwhelmedが、選択肢ではbecome overloadedに言い換えられています。  グアテマラで人気のクラウドソーシングサイト Alertosは、犯罪の目撃者に情報を提供してもらい、リアルタイムの危険箇所を示した地図を提供する。No. 16の正解は2番。avoid = stay away from、trouble spots = dangerous areas。  
  4. : Hannibal at Cannae
     歴史物が1題入りました。紀元前218年にハンニバル率いるカルタゴ軍がローマに侵攻。アルプス山脈を越えての侵入も困難を極めたが、紀元前216年のカンナエの戦いではハンニバルの軍は数の上でローマ軍にかなり劣っていた。No. 17の正解は3番。パッセージの … at a significant numerical disadvantage が選択肢3番ではoutnumberedに言い換えられています。  ハンニバルの軍の戦略は、ローマ軍を完全に包囲し全滅させるものだったためNo. 18は4番。encircleがsurroundに言い換えられているのに気づけば、容易に正解できる問題でした。  
  5. : Spotlight on Hydraulic Fracturing
     水圧破砕法(hydraulic fracturing = fracking)は、地下の岩体に化学物質を含む水を超高圧で注入して亀裂を生じさせ、天然ガスを採取する方法。frackingは、新聞・雑誌でもよく見かけるようになっていますが、予備知識のない中で聴くには難しいパッセージでした。  環境保護団体はこの方法には懐疑的。地下水の汚染の原因になるのではないかという不安に加えて、貴重な資源である水の無駄遣いであると考えています。No. 19の正解は2番。a limited resource = water。  一方で、クリーンエネルギー企業はフラッキングを使い水処理の新技術における採算性を実証しようとしていることから、No. 20の正解は1番。commercially viable = effective。短いパッセージの中に多くの内容が含まれていたので大変でした。  
Part 3
  1.  コミュニティカレッジにて、アートのコースを受講しようと考えています。条件は、1) できるだけ安く、2) デジタルカメラは持っていない、3) 火曜か土曜に受講、の3点。
    選択肢1番のIntroduction to Artは250ドル。2番のPhotography Art Fundamentalsは150ドルとデジカメレンタル代が50ドルで合計200ドル。3番のNature Paintingは日曜日だけなので受講できず。4番のPortrait Paintingは土曜日実施で190ドル。用意するものもないため、正解は4番。ややこしい問題でした。
  2. :  予期せぬ手術のため、先月旅行をキャンセルし、次に行けるのは早くても来年の4月以降。旅行代理店からのオファーを利用するためにするべきことは?
    旅行代理店から、ホテル代として100ドルのクレジットがオファーされています。条件は12月31日までに予約を入れることなので、正解は3番。1番は、クレジットはホテル代のみに適用可能なので不正解。2番も There’s no minimum stay より除外できる。
  3.  父親が3ヶ月後に高齢者施設に入所予定です。食事も含め身の周りのことはできますが、家事の助けは必要。父親にとっての最適なオプションは?
     選択肢3番のMaple Suitesは8ヶ月待ちなので除外。2番のRosewood SuitesのPackage Bや4番のBriar Suitesほどのcomprehensive、full-timeのケアは必要ないため、正解はbasic servicesのみの1番。これでお父さんも快適に暮らせます。
  4.  家を売ろうと考えているのですが、なかなか売れません。リフォームに1,000ドル以上かけることはできないという条件の中で、取るべき最善の方法は?
     値段を下げる意思はないので1番は除外。2番のシャンデリアを新しいものに取り替えるのにかかるのは200〜300ドル。窓枠を交換するのは1,500ドル。4番のキッチンのリフォームであれば2,000〜3,000ドルかかるため予算オーバー。したがって正解は2番。
  5.  物理学の第1回目の授業です。“Physics Today” のテキストを最も安く手に入れる方法は?授業は毎週金曜日に行われます。
     選択肢2番の書店で中古を購入すると50ドル。オンラインだとさらに安く中古本が入手可能ですが、配達に3日間かかります。次の授業は1週間後なので間に合います。したがって正解は4番。必要のない情報が多かったので迷ってしまいそうです。

Part 4

 日本でサイクリングチームによる募金活動をするイギリス人男性にインタビューしています。インタビュー自体は前回よりも長めで、こもったような話し方でしたが、内容は一般的で理解しやすいものでした。
No. 26 日本における義援金の役割について。It’s up to the government as to how they prioritize their budget. と答え、豊かな国であっても必ずしも災害の復興や恵まれない子供たちへの支援を優先するわけではないという考えを述べていることから、正解は3番。「政府は他の案件に優先的に予算を費やす可能性もあるので、義援金は必要である。」と言い換えています。
No. 27 日本における募金活動について。日本企業では、面倒な手続き(red tape)や会議があり決定までに時間を要することから、海外の企業よりも寄付金が集まりにくい、と答えているので正解は1番。「日本の企業は寄付をすることに関してより慎重になる傾向がある。」と言い換えています。

 

(2016/10/19更新)

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