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通訳ガイド(通訳案内士)試験情報



2010年度通訳ガイド(通訳案内士)1次試験分析速報

英語
>全問解答例
>概要/概観
>各大問ごとの分析
>結論
 >日本地理
>日本歴史
>一般常識
>結論

2010年通訳ガイド(通訳案内士)1次試験 速報レポート 英語編

** 全問解答例 **

1.
(1) 幕府による転封や改易などの大きな政変が起きた結果、何の落ち度もなく、自ら望むこともなく、いつのまにか浪人になっている男たちが多かった。
(2) 武士の世帯が私的に、裕福な商人の息子を後継ぎとして養子に迎え、娘がいれば娘と結婚させることによって、経済的に楽になろうとしたのであった。

2.
In Japan, St. Valentine's Day is regarded as a day for women to give chocolate to men. The custom took hold in the 1970s partly due to sales promotions by the Japanese confectionary industry. Today, chocolate is also commonly given to a woman's lover, spouse, friends, parents and colleagues. Although some say the Japanese version of St. Valentine's Day, in which only women give chocolate to men, is not fair, others regard the custom as a good opportunity to promote better human relations. (83 words)

3.
問1
(1) (d) secular
(2) (c) Yet
(3) (b) above
(4) (a) antiquated
問2
(A) for
(B) from
(C) than
問3
(X) referee
問4
(Y), (Z) grand champion
問5
コイオクエカキケアウ
問6
神前で相撲を取り、神託を告げる者が農作物の豊凶を占うこと。

4.
問1
伝統的な日本家屋は、垂直の柱の周りに建てられた木造建築で、家と居住者を地面の湿気から守るために、床は地面より高くしてある。
問2
雨風
問3
夏には外に面する障子を開け放って通風を良くし、暑さと湿気を緩和したし、冬には炬燵で暖を取ったため。(49字)
問4
かけじく

5.
(1) 皇居:the Imperial Palace
(2) 雪崩:avalanche
(3) つわり:morning sickness
(4) はしか:measles
(5) 鰯:sardine
(6) 観光庁:Japan Tourism Agency
(7) 雅楽:ancient Japanese court dance and music
(8) 綱引き:tug of war
(9) 観覧車:Ferris wheel
(10) 予防接種:vaccination
(11) 湯葉:soy milk skin
(12) 商店街:shopping street
(13) 燃費:gasoline mileage
(14) 義務教育:compulsory education
(15) 法務省:the Ministry of Justice

6.

Japan's ski resorts have been changing. Only a decade or so ago, young Japanese flocked to the slopes on weekends. Recently, however, they have seen increases in the number of foreign skiers. The Japanese ski resorts have gained popularity, especially after the 9-11 terrorist attacks, when Australians started to seek alternatives to North American ski resorts. The newcomers say Japan's ski resorts are attractive not only because Japan is closer to Australia and has a smaller time zone difference than Europe, but also because they have powder snow.

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** 概要 **

満点:100点
合格ライン:(国土交通省発表のガイドラインによると)70点以上

** 試験の概観 **

【1】難易度は?

全体の難易度は昨年と同程度、あるいはやや高めと思われる。

【2】問題量は?

大問数は昨年同様6題で、問題文の分量や解答作成量も昨年とほぼ同じ。

【3】問題傾向は?

(1) 出題の基本パターンと配点バランスは、2006年春に国土交通省が発表したガイドラインの通り。詳しくはJNTO(国際観光振興機構)ホームページ参照

(2) 英語を読ませる問題は例年通り3題。問題構成は、1番《英文和訳問題》(15点)、3番《英文解釈問題1》(22点)、4番《英文解釈問題2》(18点)で、いずれも日本関係で読み易い内容とレベルである。昨年の問題では3番と4番の設問が類似しており、明確な役割分担が感じられなかったが、今年の問題では、3番が文法・語法・語彙・ガイド用語などを含めた英語の運用能力を試す性質が強く、4番は文脈把握力を試す性質が強くなっている。また、4番には制限字数内の日本語で答える問題が含まれており、従来の要約問題に取って代わる存在となっている。英文を読ませる問題55点中、客観式問題(選択肢問題)はたったの4点(昨年は5点)と、昨年同様、記述問題が全体の9割以上を占めており、難易度は昨年度同レベル、あるいはやや高めと思われ、決して簡単ではない。

(3) 英語を書かせる問題は3題。設問形式は《日本事情関連英作文問題》15点)、《用語英訳問題》(15点)、《和文英訳問題》(15点)と例年通り。《用語英訳問題》は、通訳ガイドの現場で必要となる日本の旅行・文化関連の語が中心だが、一部、医療・社会・政治関係の用語も見られる。常識的に答えられるものも多いが、一部難問もある。昨年よりもやや難易度は高いだろう。一方、《日本事情関連英作文問題》と《和文英訳問題》はいずれも馴染みのあるテーマで、難易度は昨年とほぼ同じと思われる。

【4】2010年問題の総論

2006年の試験から国道交通省が出したガイドラインに沿った内容となり、問題の質や傾向などが安定してきている。今年の問題の傾向は、以下の点にまとめることができるだろう。

(1) 通訳案内士の実務を意識した実用的かつ十分な難易度の問題になっている。
(2) 読ませる・書かせる分野の分量・配点・難易度のバランスが取れている。
(3) 各設問に明確な分担役割があり、試される力の分野が明瞭である。

【5】合格に必要なレベル

国土交通省発表のガイドラインによると、基本的には絶対評価で70点以上だが、全体の出来によっては、何らかの調整が図られる可能性がある。いずれにせよ、合格ラインが引き上げられることはないため、70点を超えていれば必ず合格となるはずである。(詳しい〈合格の条件〉については、後述の「2010年の結論」を参照。)

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** 各大問ごとの分析 **

【大問1】英文和訳問題

《難易度》中《配点》15点《理想得点》11点以上《予想平均点》8点

<1> 問題分析
下線部2ヶ所、合計15点満点の《英文和訳問題》。2008年から各引用文に出典が付記されるようになった。出典はR. H. P. MasonとJ. G. Caiger共著のペーパーバック、A History of Japanである。下線部はいずれも構文的に難しい部分はないが、全体の理解や訳の一部には日本史に関する知識が求められる。

<2> 模範解答例

(1) 幕府による転封や改易などの大きな政変が起きた結果、何の落ち度もなく、自ら望むこともなく、いつのまにか浪人になっている男たちが多かった。

(2) 武士の世帯が私的に、裕福な商人の息子を後継ぎとして養子に迎え、娘がいれば娘と結婚させることによって、経済的に楽になろうとしたのであった。

<3> うまく処理したい部分

下線部(1)は8点満点。下英文のスラッシュと番号で区切ったブロックを各1点と考えよう。減点は2ブロック以内に抑えて6点以上を獲得したい。(1) ..., / 1 men often found they were ronin / 2 through no fault or / 3 wish of their own, / 4 as a result of a major political upset / 5 such as the enforced transfer of a daimyo / 6 or confiscation / 7 of a domain
/ 8 by the bakufu.

1のfindの用法は、men often found themselves to be roninの意味に近い。文脈に合うように訳す。2のthroughは3にもかかる。5〜7は日本史で一般的に用いられる用語を使いたいが、直訳しても意味が通れば良いだろう。なお、8は5のtransferにもかかるので注意。

下線部(2)は7点満点。下英文のスラッシュで区切ったブロックを各1点と考えよう。減点は2ブロック以内に抑えて5点以上を獲得したい。(2) ..., or / 1 private samurai households / 2 sought to / 3 better themselves financially by / 4 adopting a prosperous merchant's son / 5 as heir / 6 and marrying him to a daughter / 7 if they had one. 1のprivateは「民間の」の意味では合わない。3はbetterが動詞であることに注意。4のadoptと5のheirは文脈を重視して的確に訳す。7のoneはa daughterを受ける。7がかかる範囲は、文脈上6だけと判断する。

【大問2】日本事情関連英作文問題

《難易度》高《配点》15点《理想得点》10点以上《予想平均点》7点

<1> 問題分析
例年通りの形式の問題であるが、テーマとしては書きやすい内容である。語数の指示はないものの、解答欄は10行あるので、分量としては80〜100語程度が適切だろう。内容としては様々な展開が可能であるため、模範解答例はその一例と考えていただきたい。理想得点は語法・文法ミスや表現の曖昧さによる減点が生じることを想定し、10点としておいた。

<2> 模範解答例
In Japan, St. Valentine's Day is regarded as a day for women to give chocolate to men. The custom took hold in the 1970s partly due to sales promotions by the Japanese confectionary industry. Today, chocolate is also commonly given to a woman's lover, spouse, friends, parents and colleagues. Although some say the Japanese version of St. Valentine's Day, in which only women give chocolate to men, is not fair, others regard the custom as a good opportunity to promote better human relations. (83 words)

<3> うまく処理したい部分
設問は「日本流のバレンタインデーについて、英語で説明しなさい」だが、「日本流の」が最大ポイントである。「チョコレートの贈呈が中心」、「女性から男性へ贈られる」などの特徴を解答に含めよう。模範解答ではさらに、近年の動向の他、この行事を日本人はどのように捉えているかを示し、解答を充実させた。次の4点で構成してある。

(1) 日本流のバレンタインデーの様式
(2) その歴史と背景
(3) 現在の動向
(4) 日本人のバレンタインデーの捉え方

(1)〜(4)の内容について次のような展開が一般的だろう。
(1) 女性が男性にチョコレートを贈る日と考えられている。
(2) 菓子業界の後押しもあって、1970年代に定着。
(3) 今日では、恋人、友人、親や同僚などにも贈られる。
(4) 不公平と考える人もいるが、コミュニケーションを図る機会と考える人もいる。

本来、設問に対する答えとしては、(1)と(3)だけで展開しても十分に満点解答は得られるはず。その場合は50-60語程度にしかならないと思われるが、しっかりした英語で明確に説明してあれば、それでよい。

【大問3】英文解釈問題1

《難易度》中《配点》22点《理想得点》16点以上《予想平均点》11点

<1> 問題分析
出典はAlan MacFarlane 著のペーパーバックJapan Through the Looking Glass: Shaman to Shintoである。英文は特に難しいわけではないが、ほとんどが記述形式であるため、設問の難易度は低くはない。全体で7割を超える程度の16点以上を獲得したい。

<2> 模範解答例

問1
(1) (d) secular
(2) (c) Yet
(3) (b) above
(4) (a) antiquated

問2
(A) for
(B) from
(C) than

問3
(X) referee

問4
(Y), (Z) grand champion

問5
コイオクエカキケアウ

問6
神前で相撲を取り、神託を告げる者が農作物の豊凶を占うこと。

<3> うまく処理したい部分
問1(各1点):(A)はsacredと反意語を選ぶ。(B)は先行文と逆接になるような語を選ぶ。(C)は土俵の上にある屋根の位置関係を考える。(D)は丁髷を形容するのにふさわしい語を選ぶ。問2(各2点):(1)は「〜で有名」の意味でbe famous for〜の形を取る。(2)はabstain from〜の定型句。(3)はlooks much more like A than Bの構文。
問3(2点):「行司」の意味。
問4(2点):「横綱」の意味。
問5(3点):2008年、2009年と連続で出題されている並べ替え。
意味優先で考え、さらに下線部の直後がhe entersという節になっていることから、最後が接続詞の役割を果たす語句のeach timeであることに気付く。正しい語順はpurified with salt to make it safe and each wrestler must throw a handful of purifying salt each timeとなる。
問6(5点):divinationは「占い」の意味。単純に考えると「相撲による占い」だけで良いはずだが、設問が「具体的に」と指示していることや、配点の5点、ならびに解答欄の長さから見て、a sacred contest through which shamans were able to make predictions about the rice harvest の部分をまとめるということだろう。sacred、shaman、the rice harvest などの意味を具体的に書き足すとよい。

【大問4】英文解釈問題2

《難易度》中《配点》18点《理想得点》12点以上《予想平均点》9点

<1> 問題分析
この部分には2005年以来4年連続で英文要約問題が出題されていたが、昨年から大問3と同じタイプの英文解釈問題となった。ただし、設問が主に文脈を読ませるものである点が大問3と異なる。出典はウェブマガジンのThe Nihon Sunに掲載してあるRyokan: Traditional Japanese AccommodationsというJun 3rd, 2009付けの記事である。英文は簡単だが、問2と問3の難易度は高い。ここは全体で7割を超える12点以上を獲得したい。

<2> 模範解答例

問1
伝統的な日本家屋は、垂直の柱の周りに建てられた木造建築で、家と居住者を地面の湿気から守るために、床は地面より高くしてある。

問2
雨風

問3
夏には外に面する障子を開け放って通風を良くし、暑さと湿気を緩和したし、冬には炬燵で暖を取ったため。(49字)

問4
かけじく

<3> うまく処理したい部分
問1(6点):下英文のスラッシュと番号で区切ったブロックを各1点と考えよう。減点は2ブロック以内に抑えて6点以上を獲得したい。1 Traditional Japanese houses are wooden structures / 2 built around vertical columns / 3 with floors raised above the ground / 4 to protect the house / 5 and its occupants from / 6 ground moisture. 2はwooden structuresを修飾する分詞形容詞句。3は〈付帯状況を表すwith〉 だが、floorsとgroundの訳し分けに注意しよう。4と5はprotect A from Bの形で、5のoccupantsの意味に気を付ける。
問2(2点):elementは定冠詞を伴い複数で用いて「雨風」の意味を出す。
問3(8点):配点が高いので注意。下線部(Central heating or cooling was not quite necessary in a traditional Japanese home.)の理由を書かせる設問。下線部直後のIn the summertime, strategically placed exterior shoji doors would be opened wide to create cross ventilation so that the heat and humidity was somewhat mitigated. In the winter, kotatsu, a heated table covered with a futon (bedding), were used to keep the occupants warm. をまとめる。
なお、設問では「30字以上50字以内」とあるので、30字程度でも満点答案が書けるということだろう。その場合、『夏は障子を開け、通風して熱と湿気を緩和し、冬は炬燵で暖を取った。』(32字)のようなミニマム解答も考えられる。
問4(2点):ボーナスポイントなので落とさないように。

【大問5】用語英訳問題

《難易度》中《配点》15点《理想得点》11点以上《予想平均点》8点

<1> 問題分析
各1点の用語英訳問題が15問だが、国土交通省のガイドラインでは、正解に近いものは0.5点の部分点を設けると指示してあるため、解答欄をとにかく埋める努力が必要。2006年以降、通訳ガイドの現場で用いることが多い、文化・観光関係の用語が中心になり、問題の実用性が高くなった。今年は医療・社会・政治関連の語が含まれているのが特徴である。難易度は2009年よりもやや高めである。幾分スペルミスも出ることを考慮し、部分点を合わせて11点以上が理想得点ラインとなるだろう。下記模範解答例には、他の表現も示しておく。

<2> 模範解答例

(1) 皇居:the Imperial Palace
(2) 雪崩:avalanche / snowslide
(3) つわり:morning sickness / nausea and vomiting during pregnancy
(4) はしか:measles
(5) 鰯:sardine
(6) 観光庁:Japan Tourism Agency
(7) 雅楽:ancient Japanese court dance and music / court music / classical Japanese music
(8) 綱引き:tug of war / tug-of-war
(9) 観覧車:Ferris wheel / ferris wheel
(10) 予防接種:vaccination / immunization / protective inoculation / protective vaccination
(11) 湯葉:soy milk skin / bean curd skin
(12) 商店街:shopping street / shopping area / shopping mall / shopping promenade / shopping center
(13) 燃費:gasoline mileage / fuel consumption / fuel cost
(14) 義務教育:compulsory education / compulsory schooling / mandatory education
(15) 法務省:the Ministry of Justice / Justice Ministry

<3> うまく処理したい部分

知らなければ解けないのは、(2) つわり、(8) 綱引き、(9) 観覧車、(13) 燃費、などだろう。他は用語の教材や読解の教材に出てきている項目がほとんどであるし、(7) 雅楽、(11) 湯葉、(12) 商店街などは意味から訳すことも可能。

【大問6】和文英訳問題

《難易度》高《配点》15点《理想得点》10点以上《予想平均点》7点

<1> 問題分析
難易度としては標準レベルだが、大問2同様、英作文は減点が生じやすいので、平均点はそれほど高くならないだろう。理想得点レベルは10点以上と考えよう。

問題文を掲載しておく。

[問題文]
日本のスキー場が様変わりしている。一昔前は、週末ともなると若者がスキー場に押し寄せていたが、近年は外国人スキー客が増えている。特に2001年の同時多発テロ以降、北米に代わるスキー場を求めていたオーストラリア人のあいだで、日本のスキー場の人気が急速に高まった。欧州に比べて近く、時差が少ないことに加えて、日本のスキー場のさらさらの雪質も大きな魅力なのだそうだ。

<2> 模範解答例

Japan's ski resorts have been changing. Only a decade or so ago, young Japanese flocked to the slopes on weekends. Recently, however, they have seen increases in the number of foreign skiers. The Japanese ski resorts have gained popularity, especially after the 9-11 terrorist attacks, when Australians started to seek alternatives to North American ski resorts. The newcomers say Japan's ski resorts are attractive not only because Japan is closer to Australia and has a smaller time zone difference than Europe, but also because they have powder snow.

<3> うまく処理したい部分

「様変わりしている」、「一昔前」、「週末ともなると」、「押し寄せて」、「北米に代わる」、「人気が急速に高まった」などは訳が難しく感じるかもしれないが、意味を優先して自然な訳を考えよう。また、「同時多発テロ」、「時差」、「さらさらの雪質」などは、読解を通じて一般的な言い回しを習得しておく必要がある。これらは日頃から英作文にどれだけ親しんでいるかで差が出るところだ。

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** 2010年の結論 **

これまで提示した理想得点をクリアするとガイドライン上合格に必要な70点になる。通訳ガイド試験は記述問題がほとんどであるため、一見簡単に見えても70点を超えるのはやはり大変であり、相変わらず難しい試験だと言える。ただし、国土交通省のガイドラインには、「合否判定は、平均点が60点になることを前提に、概ね70点を合格基準点として行う」と書いてある。もし平均点が60点に達しない場合、たとえば、英文和訳、英作文、用語問題などの分野で採点基準が甘くなる可能性があるし、極端な方法だと、受験者全員に一定点数を加点し、平均点を60点にすることも考えられる。そう考えると、平均点よりも10点多く獲得しておくことが、〈合格の条件〉と言えるだろう。本レポートにおける《予想平均点》の合計は50点なので、自己採点で60点を超える人は、合格の可能性が高い。模範解答例を参考にして60点を超えていると思われる受験者は、迷わず2次対策に着手したほうが安全だろう。

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2010年通訳ガイド(通訳案内士)1次試験
速報レポート 日本地理・歴史・一般常識編

** 全体の傾向 **

 2006年から、日本地理、日本歴史、一般常識が分離した形で試験が行われ、今年で新形式の試験は5回目となった。

 国土交通省が2006年に出したガイドラインでは、中学、高校で学ぶ知識プラス応用が基本としてあるものの、毎年雑学的な問題も多く出ており、相変わらず受験者にとっては的が絞りにくい。

 しかし、通訳ガイド試験は昔から翌年の受験者を意識してか、極端に難問とも思える問題を一部出すことで、試験傾向を分散させ、受験者に幅広く学習することを促すという、いわゆる「教育効果」を狙う傾向もある。重要なのは、通訳ガイドとして知っておくべき重要項目(=合格ライン達成に必要な必須項目)を見極めることである。

 難易度に関しては、日本地理と日本歴史はお互いに高低を繰り返す傾向がある。つまり、日本地理が難しい年度は日本歴史が簡単で、日本歴史が難しい年度は日本地理が簡単という具合で、それを毎年交互に繰り返してきている。中には、平均点が80点を超えると思われるような簡単な問題の年もあった。今年は日本地理の難易度が高く、日本歴史が低い。一般常識は、毎年難易度が中程度でほぼ一定してきた感があったが、今年は難易度が高い。

 ガイドラインでは、合格ラインを絶対評価で60点以上としているが、「平均点が概ね60点になることを前提に」という条件付きである。つまり、問題が易しすぎて平均点が60点を上回っても60点の合格ラインを引き上げることはないが、平均点が60点を下回る場合は、合格ラインも引き下げられるということであろう。実際、過去の試験では、平均点が60点を下回るような難易度の高い問題の場合、合格ラインは実際の平均点前後で推移しているように思える。つまり、この試験においては、基本的に平均点を超えることが大切であり、前年度の傾向や難問などに極端にとらわれずに、毎年出題される基本項目をきちんと習得したうえで、平均点を超えるだけのエクストラの知識を、全科目にわたってバランスよく学習するなどの計画的な学習プログラムが必要となる。

 解説では、各科目の設問ごとに予想平均点と理想得点が示してある。基本的に予想平均点は合格ラインを意味し、理想得点は難易度が高い時でも十分に合格点に達する得点力を意味していると考えていただきたい。

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日本地理

** 概観 **

  1. 難易度は?→高い。
  2. 予想合格ラインは?→50点前後か。
  3. 問題傾向は?
    例年の難易度は、2005年が高、2006年が低、2007年が高、2008年が低、2009年高と、高低を交互に繰り返している。その筋から考えると2010年度の問題は難易度が下がるかと思われたが、逆に2009年よりもやや高めである。
    近年で難易度が最も高かったと思われる2007年の場合、50点前後の得点で合格されている方がいたことが確認されており、それを踏まえ、今回の予想合格ラインも同じく50点前後としておいた。
    出題内容は、ここ数年間の傾向通り、観光地理に主眼を置いた設問が多く、カバーする範囲も広い。対策としては、まず、中学地理の知識をベースに、観光雑誌、観光ガイドブック、観光パンフレット、各都道府県が運営する観光案内HPや環境省HPなどから、観光地理に関する知識を加味しておくことが重要である。
    CELの授業・教材でカバーした設問には*マークが付いているが、今回のカバー率は76%であった。

**各大問ごとの正解と分析**

【大問1】《重要度》中 《難易度》中 《理想得点率》60%

配点30点:日本列島の諸地域に関する問題。

 地名を中心に付帯的な知識を試すもの。問3の奥羽山脈、問4の利根川、問6の山中湖など、ボーナスポイントと思える問題も入っているが、問8や問10など消去法を利用しなければ正解を得にくい問題もある。

 予想平均点は15点(50%)前後だろう。理想得点は3点×6=18点としておく。

【大問1の正解】( )内の数字が正解

1:(2)*/2:(3)*/3:(4)*/4:(3)*/5:(3)*
6:(4)*/7:(1)/8:(4)*/9:(3)/10:(2)*

【大問2】《重要度》高 《難易度》中 《理想得点率》60%

配点30点:日本の観光地に関する問題。

 2008年、2009年に引き続き、重要伝統的建造物群保存地区が出題されているが、今回はより雑多な問題となっている。問1の十和田湖や問3の阿蘇くじゅうはボーナスポイントで、問8の竹富町竹富島は2008年の既出であり、これらは解きやすい。一方で、問5のトラピスチヌ修道院、問6のニセコスキー場などは準備をしておかないと答えられないだろう。

 予想平均点は15点(50%)前後。理想得点は、3点×6=18点としておく。

【大問2の正解】( )内の数字が正解

11:(2)*/12:(4) */13:(1)*/14:(4)/15:(2)*
16:(2) */17:(3)*/18:(4) */19:(3)/20:(1)

【大問3】《重要度》中 《難易度》中 《理想得点率》60%

配点20点:温泉に関する問題。

 選択肢を間違えれば自動的に地図の位置も間違えることになるため要注意。問題文から比較的容易に判断できる問1の乳頭温泉郷、問3の修善寺、問5の黒川は正答したい。

 地図との連動による難易度を加味して、予想平均点は8点(40%)前後。

 理想得点は、2点×3(写真)+2点×3(所在地)=12点確保としておく。

【大問3の正解】( )内の数字が正解

21:(1)*/22:(1)*/23:(3)*/24:(8)*/25:(3)*
26:(11)*/27:(1)*/28:(14)*/29:(3)*/30:(18)*

【大問4】《重要度》高 《難易度》中 《理想得点率》60%

配点20点:観光地の写真に関する問題。

 写真問題は新形式になってよく出題されるようになったので、日頃からガイドブックなどで実際に観光地の様子を見ておくことも重要である。問1の天橋立は既出でもあるし間違えてはならない。また、問5のみなとみらいを間違える人は少ないだろう。問2の鋸山と問4の四万十川は、いずれかを知っておくべき。問3のかずら橋は、「かずら」が蔓草を意味することから直観的に正答できた方もいたはず。

 予想平均点は10点(50%)程度か。理想得点は、2点×3(写真)+2点×3(所在地)=12点としておこう。

【大問4の正解】( )内の数字が正解

31:(2)*/32:(1)*/33:(4)*/34:(2)*/35:(2)
36:(3)/37:(3)*/38:(1)*/39:(3)/40:(4)

【全体】

 理想得点を合計すると60点になるが、予想平均点は48点であるため、合格ラインは50点前後まで下がる可能性もある。48点以上得点された方はすぐに2次対策準備を始めたほうが賢明だろう。

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日本歴史

**概観**

  1. 難易度は?→低い。
  2. 予想合格ラインは?→60点前後か。
  3. 問題傾向は?
    日本地理同様、難易度の高低を繰り返しているが、日本地理と交互になっており、今年は難易度が高くなる流れであったが、逆になり、日本地理の難易度が高く、日本歴史の難易度は低く設定してある。そのため、2009年と2010年
    の問題だけを参考にすると、日本歴史問題本来の難易度が見えなくなるので注意。
    これまでの傾向を考えると、2011年問題は難易度がかなり上がっても不思議ではない。来年の受験を考えている方はその点を踏まえ、今年の試験で80点前後を獲得できる程度の知識を得るべく準備をしたほうが良いであろう。
    個々の問題としては、中学歴史の標準レベル問題が約6割、さらに文化を詳しく扱った問題が約3割、雑学・クイズ的な問題が約1割程度見られる。
    全体的に問題の方向性が明確である。「日本語による筆記試験」として第1次試験に組み込まれて以来、問題の形式・傾向が安定してきた感がある。
    対策としては、中学歴史の知識をベースに、観光・文化に関連のある歴史事項を、様々な情報源から幅広く吸収しておく必要がある。歴史関連のテレビ番組や小説・読み物などが役立つ場面も大いにあるので、歴史が好きになること、歴史に興味を持つことが何よりも有効な対策になるだろう。
    CELの授業・教材でカバーした設問には*マークが付いているが、今回のカバー率は83%であった。

**各大問ごとの分析**

【大問1】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点率》80%

配点20点:歴史的事実と関連する地を地図から選ばせる問題。

 5択の選択肢を間違えると、地図上の選択肢も自動的に間違えることになるので慎重に解答を選びたい。いずれも基本事項なので満点を取ることも可能だろう。特に問1の承久の乱、問2の金印、問4のレザノフ来航などは間違えてはならない。

 予想平均点は12点(60%)前後。理想得点は、2点×4(空所)+2点×4 (地図)=16点としておく。

【大問1の正解】( )内の数字が正解

1:(5)*/2:(10)*/3:(4)*/4:(12)*/5:(5)*
6:(16)*/7:(5)*/8:(18)*/9:(4)*/10:(8)*

【大問2】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点率》80%

配点15点:日本文化に関する人物を選ぶ問題。

 この分野では宗教関連者が必ず出題されるので要注意。今回は、問1の蓮如、問2の最澄がそれに該当する。問4の新渡戸稲造は常識の範囲だろう。 

 予想平均点は9点(60%)前後。理想得点は、3点×4=12点としておく。

【大問2の正解】( )内の数字が正解

11:(5)*/12:(2)*/13:(4)*/14:(2)/15:(5)

【大問3】《重要度》高 《難易度》中 《理想得点率》75%

配点12点:日本文化に関連する人物の著書に関する問題。

 全て組み合わせ問題で5択となると、形式上の難易度は高くなる。しかし、内容的にはさほど難しいものではない。問1の藤原定家、問4の新井白石はすぐに気が付くだろう。問2はやや難しいかもしれないが、消去法で平安期の作家・作品を消していくと必然的に『十六夜日記』が残る。

 形式上の難易度を加味して、予想平均点は2問正解で6点(50%)前後。理想得点は、3点×3=9点としておく。

【大問3の正解】( )内の数字が正解

16:(3)*/17:(4)/18:(2)*/19:(4)*

【大問4】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点率》80%

配点15点:政治・政策に関する人物・項目を選ばせる問題。

 問1、問2、問3は内容的にも形式的にも難易度は低い。問4は消去法を使う場合、江川英竜と鍋島直正に関してやや深い知識が必要だろう。問5は常識問題と言えるが、戦前の「古社寺保存法」「国宝保存法」、戦後の「文化財保護法」に関する歴史は通訳案内士としてぜひ知っておきたい背景である。

 予想平均点は9点(60%)前後。理想得点は、3点×4=12点としておく。

【大問4の正解】( )内の数字が正解

20:(5)*/21:(1)*/22:(3)*/23:(5)*/24:(3)*

【大問5】《重要度》中 《難易度》中 《理想得点率》70%

配点18点:雑多的な設問。

 歴史クイズっぽい問題で、問題の重要度としてはさほど高くないが、問4の浄土宗、問5の権現造などは必須項目である。問1の在原業平は『古今和歌集』の時代の人物であるが、万葉歌人を消去していっても正解が得られる。問2の修二会は日本地理や一般常識でもカバーすべき知識である。

 予想平均点は9点(50%)前後。理想得点は3点×4=12点としておく。

【大問5の正解】( )内の数字が正解

25:(5)/26:(1)*/27:(2)*/28:(3)/29:(2)*/30:(1)

【大問6】《重要度》高 《難易度》中 《理想得点率》70%

配点20点:文化財・建築物の写真に関連のある選択肢を選ぶ問題。

 例年通りの設問形式で、安心して解答できる設問である。問1の高松塚古墳と問4のニコライ堂は予想通りの設問。問3の平等院鳳凰堂は本試験既出である。また、問3の中宮寺菩薩半跏像は、2009年に広隆寺弥勒菩薩半跏像が出題されたばかりだ。授業では中宮寺菩薩半跏像の髪型が双髷であると指摘しておいたが、お気づきになっただろうか。問5の雪松図屏風は絵のモチーフから間違えることはないだろう。

 写真を見間違えると付帯する選択肢も間違いになるので、難易度は中程度と考え、予想平均点は12点(60%)前後。理想得点は7割正解で、2点×7=14点としておく。

31:(1)*/32:(1)/33:(4)*/34:(2)/35:(3)*
36:(3)*/37:(1)*/38:(1)*/39:(4)*/40:(5)*

【全体】

 理想得点を合計すると75点になるが、難易度が高い時に確実に合格点に達するにはこの程度の得点能力が必要だと思っていただきたい。予想平均点を合計すると57点になるため、合格ラインは60点前後となる可能性が高い。57点以上得点された方は2次対策準備を始めよう。

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一般常識

**概観**

  1. 難易度は?→高い。
  2. 予想合格ラインは?→50点前後か。
  3. 問題傾向は?
    例年より難易度が上がった。しっかりと準備をすれば解ける問題が5割、これまで培ってきた一般常識が試される問題が5割と明確に分かれている。つまり、対策をせずに常識だけでは全問正解しても合格点に到達できない
    ように作ってある。その点においてよくできた問題である。
    試験要綱では「産業、経済、政治及び文化に関する一般常識問題」とあるが、毎年バランスよく出題される訳ではなく、今年は、産業15点、経済25点、政治2点、文化22点、観光18点、社会9点、国際9点と多分野からの出題となった。
    また近年、必ず日本地理・日本歴史の分野からの出題もあることは普段から授業の中で強調しておいたとおり、今年も文化のうち、大問11の日本の住居、大問12の日本の庭園は、日本歴史の分野からの出題であった。日本歴史の授業でカバーしていた箇所はしっかり得点できたはずである。
    一方、文化と社会はどうしても雑学的になり、的が絞りにくくなり、常識に頼ることになる。 対策としては、準備が必要な設問に向けて、中学公民で扱う日本の経済、産業、政治、社会の基礎知識を学習し、さらに各分野の最新情報を学習しておく必要がある。一方、常識で解ける設問に関しては、日頃からテレビや新聞などのニュースや文化トレンド、知的情報に関心を持って、アンテナを張り巡らせておくことが大切だろう。
    CELの授業・教材でカバーした設問には*マークが付いている。今回のカバー率は常識問題が多いこともあり、得点ベースで48%であったが、準備を必要とする設問は首尾よくカバーできている。

**各大問ごとの分析**

【大問1】《重要度》高 《難易度》中 《理想得点率》50%

配点25点:経済に関する一般常識問題。

 例年通りの出題傾向であり、授業でカバーした下記*マークのものは絶対正解したい。問2の「景気後退局面ではない時期」を選ばせるのは、一見無理難題に見えるが、1974年は第1次石油危機の翌年、1992年はバブル崩壊直後、1998年はアジア通貨危機の翌年であると見抜ければ容易に正解できる。授業ではさらに、過去50年間で経済成長率がマイナスだった年が6回あり、そのうち3回が、1974年、1993年、1998年であることを図表で明示しておいた。この知識からも正解できる。問3, 6は常識なので、これらを正解した受験者も多いはずである。一方で、問5, 7, 9は統計数字を推測する必要があり、出来なくても仕方ない。

 理想得点は、全体の5割=12点としておく

【大問1の正解】( )内の数字が正解

1:(3)*/2:(4)*/3:(2)/4:(4)/5:(2)
6:(4)/7:(1)/8:(2)/9:(3)/10: (3)*

【大問2】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点率》100%

配点9点:国際問題に関する一般常識問題。

 NIEs、EU、イラク戦争に関する問題で、授業でも何度も取り上げた、基本的な国際問題の一般常識。できれば3問とも正解してほしい。

【大問2の正解】( )内の数字が正解

11:(3) */12:(3)*/13:(1)*

【大問3〜5】《重要度》高 《難易度》中 《理想得点率》75%

配点16点:観光に関する一般常識問題。

 ガイド試験必出の観光関連問題。事前の準備が威力を発揮する設問である。特に、大問3の海外の観光客統計と大問4(3)の日本の観光客統計に関しては、しっかりと授業で取り上げたので、正解してほしい。一方、大問4の(1)の旅行収支の統計は勘でしか答えられないし、(2)は今年4月の最新ニュースなので、チェックしていなかった人も多いであろう。大問5では、ジャパンレールパスが「のぞみ」には乗れないことは、通訳ガイドの実務上の必須の知識である。今後は、通訳ガイドの重要な職務の1つであるこのような添乗業務に関する出題も増えてくることであろう。ただ、この問題は、他の選択肢がすべて正しいことは常識で判断できるので、消去法で正解できたかもしれない。

 理想得点は、16点中12点としておく。

【大問3〜5の正解】( )内の数字が正解

14:(4) */15:(5) */16:(3)*/17:(5)/18:(3) /19:(5) *
20:(1)

【大問6】《重要度》低 《難易度》高 《理想得点率》0%

配点8点:文化に関する一般常識問題。

 映画とドラマに関する問題。文化、芸術、スポーツの分野は、毎年必ず出題されるが、範囲が無限にあって準備のしようがない。しかし、通訳ガイドをめざすならば、ふだんから幅広い分野に興味を持つことが必要であろう。

 試験問題としては、ここは全問不正解となっても仕方ない。

【大問6の正解】( )内の数字が正解

21:(2)/22:(4)/23:(1) /24:(9)

【大問7】《重要度》中 《難易度》中 《理想得点率》70%

配点9点:産業に関する一般常識問題。

 問1のワシントン条約は必須知識で授業でも取り上げた。問2の中央卸売市場の仕組みは知らなくても、常識で選択肢を絞っていくことができるが、正解できなくても仕方ない。問3の築地市場の見学のルールは、これまた通訳ガイドとして必須の知識で、常識を働かせて正解してほしい。 理想得点は、3問中2問正解、6点としておく。

【大問7の正解】( )内の数字が正解

25:(3)*/26:(4)/27:(4)

【大問8】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点率》70%

配点9点:社会に関する一般常識問題。

 (1)人口統計の高齢化率と(2)合計特殊出生率は、頻出事項で事前の準備が威力を発揮する。授業でも重要項目として当然強調しておいたので、正解できたはず。(3)のような統計問題は、運と勘で答えるしかない。

 理想得点は、3問中2問正解、6点としておく。

【大問8の正解】( )内の数字が正解

28:(3) */29:(2) */30:(4)

【大問9】《重要度》中 《難易度》低 《理想得点率》100%

配点6点:産業に関する一般常識問題。

 ファストファッションとスマートフォンという最新の産業トレンドに関する問題。特に、ファストファッションは「通訳案内士試験合格対策&模擬問題」(日本能率協会マネジメントセンター刊)の中で、大きく取りあげた。

 用語を選択する基本問題なので、理想得点は、2問とも正解して、6点としておく。

【大問9の正解】( )内の数字が正解

31:(4) */32:(2) *

【大問10】《重要度》高 《難易度》中 《理想得点率》50%

配点4点:法制に関する一般常識問題。

 裁判員法と観光関連の法律に関する問題。問1の裁判員制度は2009年に開始された新制度で、必須の一般常識。問2の消費者庁が観光庁とともに所管する法律は知らなくても、消費者保護の視点が必要な旅行業法であると推測は可能。

 理想得点は、2問中少なくとも1問正解、2点としておく。

【大問10の正解】( )内の数字が正解

33:(2) */34:(2)

【大問11〜12】《重要度》中 《難易度》中 《理想得点率》60%

配点14点:日本の住居と庭園に関する一般常識問題。

 いずれも日本歴史分野の問題。大問11の寝殿造、書院造、数寄屋造と大問12の枯山水は、日本歴史の教材でカバーしてあるので、確実に得点できたはず。大問11の町家と土蔵は知識がなくても、前後の文脈で正解できるであろう。大問12の砂紋も、語感で選べるのでは。迷うとしたら砂波か。

 理想得点は、7問中4問は正解して、8点としておく。

【大問11〜12の正解】( )内の数字が正解

35:(3) * /36:(5) */37:(12) */38:(8)/39 :(6)
40:(4) * /41:(2)

【全体】

理想得点率は低めに見積もってあるが、それでも合計で61点に達する。予想平均点は、これよりも2割程度低い50点前後であることが見込まれる。従って、合格ラインは50点前後となる可能性が高い。50点以上得点された方は2次対策準備を始めよう。

 一般常識は、常日頃から培った常識と受験対策による知識の組み合わせである。試験がカバーする範囲も広範なので、一般常識だけに絞った付け焼き刃的な受験対策ではその効果が如実には感じられないかもしれない。

 通訳ガイド試験の一般常識試験は、それ相応の対策を行ったか否かが、合否の分かれ目になるように巧みに作ってある。そう考えて、然るべき対策をしておくことが重要だろう。

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** 2010年の結論 **

 今年の試験では日本地理と一般常識の難易度が高かった。先にも述べたが、特に一般常識については近年の傾向だけでは対処できなかった方も多いはずで、必然的に合格ラインは低めに設定されるはずである。一方、日本歴史は昨年に続き、難易度が低く感じられるが、それでも、十分な対策なしには合格は難しい。

 本来、通訳ガイドに求められる日本歴史の知識は、日本語の筆記試験3科目の中で最も広範かつ重要であるため、例えば2008年の試験レベルのように高くあって然るべきとも思われる。さらに言えば、今回は日本地理の難易度が高かったが、これも本来、通訳ガイドに求められる知識レベルから考えると今年のレベルであって然るべきだろう。2009年以前の問題をご覧になっていない方は、今回合格ラインに達していたとしても、ぜひ目を通して研究していただきたい。

過去の本試験問題と解答はこちらをごらんください>>)

 もちろん3科目を通して、雑学的な設問も多々あり、正攻法的な学習知識が十分に生かされないような問題もあった。特に、今年の一般常識においてはその傾向が顕著であった。しかし、通訳ガイドという仕事があらゆる事象に興味を持ち、常に情報のアンテナを張っておくべきものだという「指導効果」を考えてのことだと肯定的に受け取ろう。今回の受験対策で習得された知識には本試験で生かされなかったものもあるかもしれない。だが今後、それらが通訳ガイドの現場で大きな役割を果たす可能性は大である。これまでのハードな学習で得られた知識を今後も大切に維持し、さらに深めていっていただきたい。

以上です。

みなさまの手応えはいかがでしょうか。お読みいただき、ありがとうございました。

CEL英語ソリューションズ

最高教育責任者 江口 裕之

(2010.09.08更新)

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