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通訳ガイド(通訳案内士)試験情報



2011年度通訳ガイド(通訳案内士)
1次試験分析速報

英語
>全問解答例
>概要/概観
>各大問ごとの分析
>結論
 >日本地理
>日本歴史
>一般常識
>結論

2011年通訳ガイド(通訳案内士)1次試験 速報レポート 英語編

** 全問解答例 **

1.

(1) 確かに、アメリカ占領軍の最高司令官であったマッカーサー元帥は、 日本の第二次世界大戦敗戦後、アメリカ人が諸事を取り仕切っていた 1946年に、日本女性に選挙権を得させることに何とか成功した。
(2) 世界の先進国のうち、自国の国会に女性の議員が占める割合が 日本より少ない国は一つもない。

2.

(1) 電車の女性専用車
The women-only cars are railway or subway passenger cars reserved for women, aimed at protecting women from lewd behavior. Typically they are the first or last car and they are usually available during the morning rush-hour on weekdays. (39 words)

(2) こいのぼり
Koinobori are colorful carp streamers that are flown around May 5, a day traditionally associated with boys called Tango-no-Sekku. Japanese carp are known to be strong swimmers, which often swim upstream. It is hoped that boys will grow strong like the Japanese carp. (43 words)

3.

問1
Stone walls
問2
(a) (2) from
(b) (1) vicinity
問3
城下町
問4
身分が高い武士は城に最も近い区域に住んでいた。
問5
(i) 円形、五角形
(ii) 常緑樹、籠城
(iii) 鍛冶屋

4.

問1
(A) (エ) paradoxical
(B) (イ) extension
(C) (エ) undergoes
(D) (ア) Removed
問2
エクキイカオアウ
問3
調理や加工の手法をやたらと用いるのは下品であり、素材がもともと持つ自然の味を保ち、自然にできるだけ近い状態で食べるべき。(60字)
問4
すしは、近世になる前の日本に見られた、魚肉を発酵させる文化に起源を持ち、今日私たちがすしと認識するものとは大きく異なっていた。

5.

(1) (賃貸の)マンション   rental apartment / rental flat
(2) 貸し切りバス  chartered bus
(3) 霊柩車  Japanese hearse / funeral car / funeral coach / meat wagon (slang)
(4) 太陰暦  lunar calendar
(5) 忘年会  year-end party
(6) 総選挙  general election
(7) 漆器  lacquer ware / lacquerware
(8) 電子レンジ  microwave / microwave oven / kitchen microwave
(9) (駅の)ホーム  platform / train platform / railway platform
(10) キュウリ  cucumber / cuke (slang)
(11) 原子力発電所  nuclear power plant / nuclear power station
(12) 建国記念の日
National Foundation Day  (13) 就職活動  job hunting / job search
(14) お通し  appetizer / hours d'oeuvre

6.

(1)
Many Japanese and Frenchmen regard traveling as a hobby that they enjoy when they can afford to, but it's said that many South Koreans regard it as something essential for their lives.

(2)
Kanji characters meaning "Japan" can be read either "Nihon" or "Nippon" in Japanese, but both readings are correct. Come to think of it, however, it might strike non-Japanese as odd that there's no one official reading of the name of a country. In fact, the Japanese government says both readings are correct.


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** 概要 **

満点:100点
合格ライン:(国土交通省発表のガイドラインによると)70点以上

** 試験の概観 **

【1】難易度は?

全体の難易度は昨年と同程度と思われる。。

【2】問題量は?

大問数は昨年同様6題で、問題文の分量や解答作成量も昨年とほぼ同じ。

【3】問題傾向は?

(1) 出題の基本パターンと配点バランスは、2006年春に国土交通省が発表したガイドラインの通り。詳しくはJNTO(国際観光振興機構)ホームページ参照

(2) 英語を読ませる問題は例年通り3題。問題構成は、1番《英文和訳問題》 (14点)、3番《英文解釈問題1》(20点)、4番《英文解釈問題2》(20点) で、いずれも日本関係で読み易い内容とレベルである。昨年の問題では、 3番が文法・語法・語彙・ガイド用語などを含めた英語の運用能力を 試す性質が強く、4番は文脈把握力を試す性質が強くなっているなど、 両大問の間で役割分担があるように思えたが、今年の問題では両者の 性質が似ており、配点も同じである。ただし、4番には昨年同様、 制限字数内の日本語で答える問題が含まれており、従来の要約問題に 取って代わる存在となっている。英文を読ませる問題54点中、客観式問題 (選択肢問題)は9点(昨年は5点)と、相変わらず記述問題が大半を 占めており、一見簡単にも見えるが、難易度は昨年度と同レベルと思われる。

(3) 英語を書かせる問題は3題。設問形式は2番《日本事情関連英作文問題》 (16点)、5番《用語英訳問題》(14点)、6番《和文英訳問題》(16点) とほぼ例年通り。2番は従来の70語程度の解答を書かせる1つの設問から、 40語程度の解答を書かせる2つの設問に変わっている。昨年までの形式では、 解答のアウトラインを練りにくく、問題の内容によって出来不出来が大きく 分かれていが、今年は、より実践的で、常識的な問題となっている。 配点は昨年比で1点増。5番は、通訳ガイドの現場で必要となる日本の旅行・ 文化関連の語が中心だが、「原子力発電所」や「総選挙」など、最近新聞で 見かけることが多い時事用語も一部含まれる。難易度的には昨年よりやや低め で配点は昨年比1点減。6番は従来の長文和文英訳から、中程度の長さの英作文 2問に変わっている。その意味で2番と同傾向だが、2問合わせて長さは昨年の 和文と同じ程度なので、難易度は昨年とほぼ同じと思われる。配点は昨年比で 1点増。

【4】2011年問題の総論

2006年の試験から国土交通省が出したガイドラインに沿った内容となり、 問題の質や傾向などが安定してきている。今年の問題の傾向は、以下の点に まとめることができるだろう。

(1) 通訳案内士の実務を意識した実用的かつ十分な難易度の問題になっている。
(2) 読ませる・書かせる分野の分量・配点・難易度のバランスが取れている。
(3) 各設問に明確な分担役割があり、試される力の分野が明瞭である。

【5】合格に必要なレベル

国土交通省発表のガイドラインによると、基本的には絶対評価で70点以上だが、 全体の出来によっては、何らかの調整が図られる可能性がある。いずれにせよ、 合格ラインが引き上げられることはないため、70点を超えていれば必ず合格と なるはずである。(詳しい〈合格の条件〉については、後述の「2011年の結論」 を参照。

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** 各大問ごとの分析 **

【大問1】英文和訳問題

《難易度》中《配点》14点《理想得点》10点以上《予想平均点》8点
<1> 問題分析
下線部2ヶ所、合計14点満点の《英文和訳問題》。2008年から各引用文に出典が 付記されるようになった。出典はJoe Joseph著のペーパーバック、The Japanese: Strange But Not Strangers (Penguin Books Ltd, 1994)である。 下線部はそれぞれ狙われているポイントが明確である。英文和訳は減点になる ような落とし穴がたくさんある。一見簡単に見えても、慎重に解答を作成しない と思わぬ減点に遭う可能性もある。
ここでは、7割前後の10点以上を獲得したい。

<2> 模範解答例
(1) 確かに、アメリカ占領軍の最高司令官であったマッカーサー元帥は、 日本の第二次世界大戦敗戦後、アメリカ人が諸事を取り仕切っていた 1946年に、日本女性に選挙権を得させることに何とか成功した。
(2) 世界の先進国のうち、自国の国会に女性の議員が占める割合が日本より 少ない国は一つもない。

<3> うまく処理したい部分
下線部(1)は8点満点。下記英文のスラッシュと番号で区切ったブロックを 各1点と考えよう。減点は2ブロック以内に抑えて6点以上を獲得したい。
(1) 1 General MacArthur, / 2 head of the American occupying forces, / 3 did / 4 manage to / 5 get Japanese women the vote / 6 in 1946 when / 7 the Americans were running things / 8 after Japan's defeat in World War II.
1のGeneralはアメリカ軍の軍人の5つ星階級の最高位を示す称号で、通常日本語 では「大将」の上位に位置する「元帥」と訳されるが、ここでは「大将」も 許容範囲だろう。
2はheadとoccupying forcesの意味を正確に。
3は強調のdidで、模範解答では文頭の「確かに」に相当するが、訳落ちしない ように注意。
4はmanage to doのニュアンスを落とさない。
5はget A Bで「AにBを得させる」の意味で、General MacArthurが「与えた」 のとはニュアンスが異なるが、「AにBを与えた」と訳しても許容範囲だろう 。the voteが「選挙権」「参政権」の意味であることを明確に。
6はwhen以下が1946に明確にかかっていれば可。
7と8は減点になるような部分ではないので訳落ちだけ気を付ける。

下線部(2)は6点満点。下英文のスラッシュで区切ったブロックを各1点と 考えよう。2と6はセットで2点とする。減点は2ブロック以内に抑えて 4点以上を獲得したい。
(2) 1 Among the world's developed nations, / 2 no country / 3 has a lower proportion of / 4 women members / 5 in their parliament / 6 than Japan.
1のdeveloped nationsは「先進国」の意味。
2は、3の比較級、ならびに、6とセットで2点と考え、「日本よりも〜な国は 一つもない」の意味。
3は「割合」の意味で、「数」ではないので注意。
4は「女性の議員」の意味。「女性のメンバー」ではおそらく不可。
5のparliamentは「国会」の意味。「議会」では地方議会も含まれ、また their(= the world's developed nations')の意味も出なくなるので おそらく不可

【大問2】日本事情関連英作文問題

《難易度》高《配点》16点《理想得点》10点以上《予想平均点》8点

<1> 問題分析
小分けの問題2問になったため、解答内容の構成は以前よりも簡単。
しかし、それぞれ解答欄が4行しかないため、40〜50語程度の英語でまとめることになり、的確な説明と簡潔な英語表現力が従来以上に求められることになり、決して解答作成は簡単ではない。理想得点は6割前後の10点としておこう。

<2-(1)> 模範解答例
電車の女性専用車
(1) The women-only cars are railway or subway passenger cars reserved for women, / (2) aimed at protecting women from lewd behavior. / (3) Typically they are the first or last car and they are usually available during the morning rush-hour on weekdays. (39 words)

<3-(1)> うまく処理したい部分
(1) 何か
(2) 目的は何か
(3) どのようなシステムか
の3点について言及する必要があるだろう。上記模範解答では該当部分を スラッシュで割って番号を振っておいた。情報の重要性から考えると、 (1)が3点、(2)が2点、(3)が3点というところか。

<2-(2)> 模範解答例
こいのぼり
(1) Koinobori are colorful carp streamers that are flown around May 5, a day traditionally associated with boys called Tango-no-Sekku. / (2) Japanese carp are known to be strong swimmers, which often swim upstream. / (3) It is hoped that boys will grow strong like the Japanese carp. (43 words)

<3-(2)> うまく処理したい部分
(1) 何か
(2) どのような意味があるのか
(3) 何のためのものか
の3点について言及する必要があるだろう。上記模範解答では該当部分を スラッシュで割って番号を振っておいた。こいのぼりは端午の節句で男児の お祝いのためのものだが、5月5日は同時に、男児・女児両方を対象にした祝日 「こどもの日」でもある。ここでは、「こどもの日」に言及すると、混乱を 招くかもしれないため、模範解答では、こいのぼりと端午の節句を中心に 説明した。もちろん「こどもの日」に言及してもよい。
なお、子どもの日を含めた別解答例については、1次試験解説セミナーにて 紹介する。 情報の重要さから考えると(1)が3点、(2)が2点、(3)が3点というところか。

【大問3】英文解釈問題1

《難易度》低《配点》20点《理想得点》16点以上《予想平均点》12点
<1> 問題分析
出典はJennifer Mitchellhill 著のペーパーバックCastles of the Samurai (講談社インターナショナル, 2003)である。英文は特に難しいわけでは ないが、ほとんどが記述形式であるため、設問の難易度は低くはない。
ただし、問3や問5の一部はボーナスポイントとも言える部分なので、 全体で8割を超える程度の16点以上を獲得したい。

<2> 模範解答例
問1
Stone walls
問2
(a) (2) from
(b) (1) vicinity
問3
城下町
問4
身分が高い武士は城に最も近い区域に住んでいた。
問5
(i) 円形、五角形
(ii) 常緑樹、籠城
(iii) 鍛冶屋

<3> うまく処理したい部分
問1(両方正解で2点・完全解答):「石垣」をそのまま訳せばよい。 Stone wallsとなるが、wallsは複数形でなければ不可。
問2(各2点):(1)はA series of gates and towers from which the defenders could fire down upon...となり、書き替えると、 the defenders could fire down from a series of gates and towers upon... の意味になっている必要があるためfromを入れる。
(2)はchief vassals(直属の家臣)が城壁の内側に居住するのに対し、 the samuraiは...、となることから、quarters in the immediate vicinity of the castle(城の直近の区域)に住む、という文脈を作る。vicinityが正解。
問3(2点):castle townsは「城下町」。これは間違えてはならない。
問4(4点):独立分詞構文のthe higher ranked being closest to the castle を訳すが、「省略されている語を補って」と設問にある。 the higher rankedの後にsamuraiが省略されている、という意味だろう。 また、being closest toだが、「〜に最も近い」だけでは訳にならないと 思われる。ここでは、beingをlivingの意味に、また、closestもquarters (区域)を受けて、「最も近い区域」とする必要があるだろう。 模範解答を配点で分割すると、「1身分が高い/2武士は/3城に最も近い区域に /4住んでいた。」の4点満点になると思われ、各ブロック1点ということになる。
問5(10点):配点が高いので慎重に答えたい。
(i)はcircular(円形の)とpentagonal(五角形の)となる。
(ii)のEvergreen trees(常緑樹)は、「緑の木」系統の答えは不可。 落葉樹では、冬に内部を隠すという役割を果たさないため、常緑樹であることを 常識的に判断する。もう一つはsiegeだが、城を守る立場からすると「籠城」と なるが、本来、siegeは「包囲攻撃」の意味で、どちらでも答案として 有効だろう。「籠」という漢字は2010年改訂の常用漢字に加えられえている ため、ひらがな、及び漢字の間違いは1点減点としておこう。
(iii)はblacksmiths(鍛冶屋)の訳を入れるが、これも常用漢字なので 漢字の間違い、ひらがなの表記は1点減点としておこう。

【大問4】英文解釈問題2

《難易度》中《配点》20点《理想得点》14点以上《予想平均点》11点
<1> 問題分析
出典はYoshio Sugimoto著のThe Cambridge Companion to Modern Japanese Culture (Cambridge University Press, 2009)というペーパーバック。 英文は簡単だが、問2は難問。さらに問3と問4は細かなニュアンスの訳出が 難しい。ここは全体で7割を超える14点以上を獲得したい。

<2> 模範解答例
問1
(A) (エ) paradoxical
(B) (イ) extension
(C) (エ) undergoes
(D) (ア) Removed
問2
エクキイカオアウ
問3
調理や加工の手法をやたらと用いるのは下品であり、素材がもともと持つ自然 の味を保ち、自然にできるだけ近い状態で食べるべき。(60字)
問4
すしは、近世になる前の日本に見られた、魚肉を発酵させる文化に起源を持ち、 今日私たちがすしと認識するものとは大きく異なっていた。

<3> うまく処理したい部分
問1(1点×4=4点):(A)は "no cooking is the best kind of cooking" という一見矛盾した発想を表現する語の(エ) paradoxical(逆接的な)を入れる。
(B)はすしに関する誤解を説明しているが、すしが刺身の延長線上にあるという 意味になるように(イ) extension(延長)を入れる。
(C)は米がlactic acid fermentation(乳酸発酵)の過程を経るという意味に なるように(エ) undergoes(〜を経る)を入れる。
(D)は分詞構文に関する文法問題だが、主節の主語はthe preserved fishで、「米から取り除かれると」 という受け身の意味になるように、(ア) Removedを入れる。


問2(3点):「魚が新鮮さを失って初めて、最後の手段として、魚は醤油や味噌 などの調味料と一緒に煮ることになる」という意味を作る。Only when fishから 始まる強調構文なので、通常は、主節のthey would be cooked withが 倒置になって、would they be cooked withとなる。 したがって、Only when fish (エlose freshness クwould キthey イbe cooked with カsuch flavorings as オshoyu or miso アas a ウlast) resort. という語順が正解。


問3(7点):配点が高いので注意。第1段落最後の(The thinking here is that) 1 the extensive use of / 2 cookery and processing methods / 3 is vulgar; / 4 the natural initial flavors of ingredients / 5 should be retained/ 6 and eaten in the form / 7 as close as possible to nature.のかっこ以外の部分を書き出すことになる。升目は60あるが、 この部分を全訳すると、60字になった。つまり、下線訳と同じ要領で、 構文ミスや訳落ちがないように全てを丁寧に書きだす。 上記英文のスラッシュで区切ったブロックを各1点と考えよう。
問4(6点):ここも配点が高いので注意。下記英文のスラッシュで区切ったブ ロックを各1点と考えよう。
... 1 sushi originated from / 2 the culture of fermenting fish meat / 3 in pre-modern Japan / 4 and differed markedly from / 5 what we recognize as / 6 sushi today. 1のoriginate fromは「〜に起源を持つ」の意味。
2は細かいが、fish meat(魚肉)のmeatの意味を落とさないほうがよい。
3は英文最後に「江戸時代より前にあったのは、この種類のすしであった」 (This was the type of sushi available before the Edo period.)と あるので、pre-modernは江戸時代より前を意味する。歴史的には安土桃山時代と 江戸時代は近世と呼ばれているため、正確には「近世になる前に見られた」と なるが、「近代〜」としても減点にはならないだろう。また、「以前」は数値に 伴われる場合、その数値も含むのが一般的だが、時代に関して用いる場合、 それ以前を意味することが多いので、ここでは「近世以前」や「江戸時代以前」
も可のはず。一方、ジーニアス英和辞典ではpre-modernを「現代以前の」として いるが、この訳では文脈無視と判断されるかもしれない。 さらに、「前近代的な」は広辞苑の定義によると、「合理性に欠け、旧態依然と
して事の行われているさま」とあり、ここでは文脈に合わないと 判断される可能性がある。 4はmarkedlyの意味を落とさない。 5は直訳すると「私たちが〜と認識するところの」の意味になる挿入的な 関係詞節。 6はtodayの訳を落とさないように注意。

【大問5】用語英訳問題

《難易度》中《配点》14点《理想得点》10点以上《予想平均点》8点
<1> 問題分析
各1点の用語英訳問題が14問だが、国土交通省のガイドラインでは、正解に 近いものは0.5点の部分点を設けると指示してあるため、解答欄をとにかく 埋める努力が必要。
2006年以降、通訳ガイドの現場で用いることが多い、文化・観光関係の用語が 中心になり、問題の実用性が高くなっている。難易度は昨年よりもやや低め。 幾分スペルミスも出ることを考慮し、部分点を合わせて7割程度の10点以上が 理想得点ラインとなるだろう。下記模範解答例には、他の表現も示しておく。

<2> 模範解答例
(1) (賃貸の)マンション  rental apartment / rental flat
(2) 貸し切りバス   chartered bus
(3) 霊柩車  Japanese hearse / funeral car / funeral coach / meat wagon (slang)
(4) 太陰暦  lunar calendar
(5) 忘年会  year-end party
(6) 総選挙  general election
(7) 漆器  lacquer ware / lacquerware
(8) 電子レンジ  microwave / microwave oven / kitchen microwave
(9) (駅の)ホーム  platform / train platform / railway platform
(10) キュウリ  cucumber / cuke (slang)
(11) 原子力発電所  nuclear power plant / nuclear power station
(12) 建国記念の日  National Foundation Day
(13) 就職活動  job hunting / job search
(14) お通し  appetizer / hors d'oeuvre

<3> うまく処理したい部分
(2)、(3)、(4)、(7)、(8)、(12)などは知らなければ解けない。 一方で、(1)、(5)、(13)、(14)は意味を考えれば訳が思いつくだろう。 また、(6)や(11)は時事的な話題に日頃から触れていることが大切。 さらに、(9)などのカタカナ英語も毎年出されている。日頃から本来の意味を 知っておくことが必要。

【大問6】和文英訳問題

《難易度》高《配点》16点《理想得点》10点以上《予想平均点》8点
<1> 問題分析
難易度としては標準レベルだが、大問2同様、英作文は減点が生じやすいので、 平均点はそれほど高くならないだろう。特に(2)は高度な作文力が要求される。 昨年よりも配点が1点多いため、理想得点レベルは10点以上と考えよう。
問題文を掲載しておく。
[問題文 (1)](8点)
日本人やフランス人は、旅行は余裕があるときに行う趣味ととらえている者が 多いが、韓国人の多くは、旅行は生活をしていくにあたってなくてはならないもの、と考えているらしい。
[問題文 (2)](8点)
「日本」は日本語で「にほん」とも「にっぽん」とも言い、どちらも正しい。しかし考えてみると、国家の名前の正式な読み方が決まっていないというのは、日本人以外の人には奇妙に思えるかもしれない。日本政府も、どちらでもよい、としている。

<2> 模範解答例
(1)
Many Japanese and Frenchmen regard traveling as a hobby that they enjoy when they can afford to, but it's said that many South Koreans regard it as something essential for their lives.

(2)
Kanji characters meaning "Japan" can be read either "Nihon" or "Nippon" in Japanese, but both readings are correct. Come to think of it, however, it might strike non-Japanese as odd that there's no one official reading of the name of a country. In fact, the Japanese government says both readings are correct.

<3-(1)> うまく処理したい部分
「余裕がある時に」(when they can afford to)は、時間のことかお金のこと かわからないので、どちらも意味できるようにした方がいいだろう。 他に「なくてはならないもの」(something essential for their lives) あたりも難しい。また、文末の「〜らしい」だが、無視しない方がいいだろう。
解答例では、it's said thatを挿入しておいた。さらに、「韓国人」だが、South KoreansのようにSouthをきちんと入れておこう。

<3-(2)> うまく処理したい部分
第2文以下を見ると、漢字の「日本」をどう読むか、の問題となっている。
冒頭の部分は、In Japanese, Japan is called either "Nihon" or "Nippon", and both names are correct. ともできるが、それ以後、日本の国名の「読み」 (reading)に話題が変わるため、模範解答では、第1文を『「日本」を意味 する漢字は「にほん」とも「にっぽん」とも読めるが、どちらも正しい』と 解釈し直し、流れを良くしてある。「考えてみると」(come to think of it)や 「〜には奇妙に思える」(it strikes 〜 as odd)などの慣用句の使い方や、 「国家の名前の正式な読み方が決まっていない」(there's no one official reading of the name of a country)などの文脈に沿った訳し方などが難しい。

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** 2011年の結論 **

これまで提示した理想得点をクリアするとガイドライン上合格に必要な70点に なる。通訳ガイド試験は記述問題がほとんどであるため、一見簡単に見えても 70点を超えるのはやはり大変であり、相変わらず難しい試験だと言える。
ただし、国土交通省のガイドラインには、「合否判定は、平均点が60点になる ことを前提に、概ね70点を合格基準点として行う」と書いてある。
もし平均点が60点に達しない場合、たとえば、英文和訳、英作文、用語問題など の分野で採点基準が甘くなる可能性がある。いずれにせよ、「平均点60点を前提 に70点」であれば、「平均点+10点」を得点することが〈合格の条件〉と言える だろう。本レポートにおける《予想平均点》の合計は55点なので、それに10点を 加えた65点を超える人は、合格の可能性が高い。模範解答例を参考に採点して、 65点を超えていると思われる受験者は、迷わず2次試験対策に着手したほうが 安全だろう。

この続きは、ぜひ、CELの「1次試験解説セミナー」に参加して、問題と模範解答の詳細チェックを行っていただきたい。

とり急ぎ以上です。
さて、みなさまの手応えはいかがでしょうか。 お読みいただきまして、ありがとうございました。

CEL英語ソリューションズ
最高教育責任者 江口 裕之

(2011.09.09更新)

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2011年通訳ガイド(通訳案内士)1次試験 速報レポート
日本地理・歴史・一般常識編

** 全体の傾向 **

 2006年から、日本地理、日本歴史、一般常識が分離した形で試験が行われ、今年で新形式の試験は6回目となった。国土交通省が2006年に出したガイド ラインでは、中学、高校で学ぶ知識プラス応用が基本としてあるものの、 毎年雑学的な問題も多く出ており、相変わらず受験者にとっては的が絞り にくいように思える。
しかし、通訳ガイド試験は昔から翌年の受験者を意識してか、極端に難問 とも思える問題を一部出すことで、試験傾向を分散させ、受験者に幅広く学習 することを促すという、いわゆる「教育効果」を狙う傾向もある。
重要なのは、ガイドとして知っておくべき重要項目(=合格ライン達成に 必要な必須項目)を見極めることである。
難易度に関しては、近年、地理と一般常識が比較的高く、傾向が変動しつつカバーする範囲も広い。一方、歴史はここ数年難易度が低い状態が続いているし傾向も安定している。今年に関して言うと、地理が「やや高い」、歴史が 「低い」、一般常識が「高い」という昨年と同じような傾向である。

【2011年度日本語による筆記試験の合格ライン】

 ガイドラインでは、合格ラインを絶対評価で60点以上としているが、「平均点が概ね60点になることを前提に」という条件付きである。 

 つまり、問題が易しすぎて平均点が60点を上回っても60点の合格ラインを引き上げることはないが、平均点が60点を下回る場合は、合格ラインも引き下げられるということであろう。実際、過去の試験では、平均点が60点を下回るような難易度の高い問題の場合、合格ラインは実際の平均点前後で推移しているように思える。

 従って、この試験においては、基本的に平均点を超えることが大切であり、 年度の傾向や難問などに極端にとらわれずに、毎年出題される基本項目をきちんと習得したうえで、平均点を超えるだけのエクストラの知識を全科目にわたってバランスよく学習するなどの計画的なプログラムが必要となる。

 解説では、各科目の設問ごとに受験者平均予想点と理想得点が示してある。基本的に受験者平均予想点は合格ラインを意味し、理想得点は難易度が高い時でも十分に合格点に達する得点力を意味していると考えていただきたい。

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日本地理

** 概観 **

  1. 難易度は?→やや高い。
  2. 予想合格ラインは?→55点前後か
  3. 問題傾向は?
    過去の難易度は、2005年が高、2006年が低、2007年が高、2008年が低と、 高低を繰り返していた。その後、2009年と2010年は難易度が高かったが、 今年は過去2回ほどは難しくはない。
    ただし、大問2の写真問題と大問4の地図問題が新傾向で、しっかり設問を 吟味すればそれほど難しいものではないが、新傾向である分、難しく感じた方も 多いだろう。そこを踏まえて難易度は「やや高い」としておこう。
    近年で難易度が最も高かったと思われる2007年の場合、50点前後の得点で 合格されている方がいたことが確認されており、それを踏まえ、今回の予想合格 ラインはそれよりも高めと考え、55点前後としておいた。
    内容としては、ここ数年間の傾向通り、観光地理に主眼を置いた設問が多く、 カバーする範囲も広い。対策としては、まず、中学地理の知識をベースに、 観光雑誌、観光ガイドブック、観光パンフレット、各都道府県が運営する 観光案内HPや 環境省HPなどから、観光地理に関する知識を加味しておく
    ことが重要である。
    CELの授業でカバーした設問には*マークが付いているが、今回の授業 カバー率は68%であった。

**各大問ごとの正解と分析**

【大問1】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点率》80%

 配点20点:日本の地勢・気候・自然に関する問題。
地名を中心に付帯的な知識を試すもの。全体的に難易度は低いので、この大問でしっかり稼いでおきたい。
問1の(4)日本海、問2の(1)飛騨山脈、問8の(3)秋田竿燈(灯)祭りなど、ボーナスポイントと思える問題も入っているが、 問3の(4)石鎚山、ならびに、問4、5の気候の問題はやや難しい。
一方、問6、7の樹種分布に関する問題は常識的に解けるだろう。 予想平均点は14点(70%)前後だろう。 理想得点は、2点×8=16点としておく。

【大問1の正解】( )内の数字が正解
1:(4)* /2:(1)*/3:(4)*/ 4:(3)*/ 5:(2)*
6:(1)*/ 7:(2)*/8:(3)*/ 9:(3)* / 10:(3)*

【大問2】《重要度》高 《難易度》中 《理想得点率》60%

 配点30点:日本の観光地に関する問題。
例年の写真問題に代えて、写真に関する説明文をベースにした新傾向の問題。単に写真を出すよりも設問形式としては実践的で優れていると思われる。
(a)の合掌造りは重要項目。(b)のグラバー邸は、特に今年の本命の1つとして授業で指摘しておいたため、しっかり得点できただろう。
(c)の(1)沖縄美ら海水族館と(4)ジンベエザメはやや難しかったかもしれない。
また、説明文にある間違いを指摘する問題もやや難易度が高いが、常識でクリアできる範囲と思われる。 予想平均点は15点(50%)前後。
理想得点は、3点×6=18点としておく。

【大問2の正解】( )内の数字が正解
11:(2)*/12:(3)*/13:(4)/14:(1)*/15:(4)*
16:(1)/ 17:(4)*/18:(1)/19:(4) /20:(4)

【大問3】《重要度》中 《難易度》中 《理想得点率》60%

 配点20点:農産物に関する問題。
農産物の問題は「日本地理ハンドブック」や夏の「日本地理実践演習」で扱ったため、問2の(1)山形、問5の(1)宮城県の「ひとめぼれ」、問9の(2)促成(栽培)、問10の(4)ピーマンなどは正解したい。問7の(3)春白菜:茨城県は解ける必要はない。その他、常識なども働かせると6割は得点できるはず。
予想平均点は10点(50%)前後。
理想得点は、2点×6=12点としておく。

【大問3の正解】( )内の数字が正解
21:(4)/22:(1)*/23:(3)/24:(2)*/25:(1)*
26:(4)* /27:(3)/28:(4)*/29:(2)*/30:(4)*

【大問4】《重要度》低 《難易度》高 《理想得点率》50%

 配点30点:地図を読む力を試す問題。
基本は地図の見方を試す問題だが、(a)松江、(b)馬籠に関する背景知識も必要となっている。新傾向であるため一見難しくも感じるが、問2の(2)放射状の道路や問7の(3)谷筋などは、地図をよく見れば正解できる。また、問1の(3)島根県、問5の(4)姫路城、問8の(3)寺などはボーナスポイントと言える。
一方で、問4の(4)飫肥(宮崎県)、問10の(1)会津西街道の大内宿は、いずれも重要伝統的建造物群保存地区で、授業で一覧表を使って紹介してはいるが、正答するのは難しいだろう。
そこを踏まえて予想平均点は12点(40%)程度か。
理想得点は、3点×5=15点としておこう。

【大問4の正解】( )内の数字が正解
31:(3)*/32:(2) / 33:(1)* /34:(4)*/35:(4)*
36:(3) /37:(3) /38:(3)*/39:(4) /40:(1)

【全体】

 理想得点を合計すると61点になる。合格ラインは55点と想定するが、予想平均点は51点であるため、それ付近まで合格ラインが下がる可能性もある。
51点以上を得点された方はすぐに2次対策準備を始めたほうが賢明だろう。

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日本歴史

**概観**

  1. 難易度は?→低い。
  2. 予想合格ラインは?→ガイドライン通り60点前後か。
  3. 問題傾向は?
    2009年以降、難易度が低い問題が続いている。そのため、近年の問題だけを 参考にすると、ガイド試験の日本歴史問題本来の難易度が見えなくなるので注意。
    これまでの傾向を考えると、突然難易度がかなり高くなっても不思議ではない。 来年の受験を考えている方はその点を踏まえ、今年の試験で80点前後を獲得できる 程度の知識を得るべく準備をしたほうが良いであろう。
    個々の問題としては、中学歴史の知識で十分に合格点が取れる。さらに高校歴史 の知識があれば、満点に近い得点が可能だろう。一部、一般常識風の問題も含まれ ているが、それらは解けなくてよい。問題の方向性としては、通訳案内士の知識と して欠かせない項目を分野別に扱っており、 非常に良い内容となっている。
    対策としては、中学歴史の知識をベースに、観光・文化に関連のある歴史事項を、 様々な情報源から幅広く吸収しておくといいだろう。歴史関連のテレビ番組や小説・ 読み物などが役立つ場面も大いにあるので、歴史が好きになること、歴史に興味を 持つことが何よりも有効な対策になるだろう。
    CELの授業でカバーした設問には*マークが付いているが、今回の授業カバー率 は88%であった。

**各大問ごとの分析**

【大問1】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点率》80%

 配点20点:歴史的事実と関連する地を地図から選ばせる問題。
5択の選択肢を間違えると、地図上の選択肢も自動的に間違えることになるので慎重に解答を選びたい。いずれも基本事項なので満点を取ることも可能だろう。
特に、問1の(1)藤原京、問2の(3)壇ノ浦、問4の(1)五稜郭などは間違えてはならない。ただし、問3はオランダ商館と聞いて、あわてて地図上で(19)長崎を選ばないこと。設問には「1609年にオランダ商館が設置されたこの地」と書いてある。正解は(18)平戸である。
予想平均点は14点(70%)前後。
理想得点は、2点×4(空所)+2点×4(地図)=16点としておく。

【大問1の正解】( )内の数字が正解
1:(1)*/2:(12)*/3:(3)*/ 4:(15)*/5:(2)*
6:(18)*/7:(1)*/8:(1)*/ 9:(3)*/10:(17)*

【大問2】《重要度》高 《難易度》中 《理想得点率》60%

 配点15点:日本文化に関する人物を選ぶ問題。

 文化人が多い。問1の(2)栄西、問2の(5)天智天皇などは常識。問3では(3)藤原清衡が正解だが、選択肢には奥州藤原氏4代の名前全てが出ているのでやや迷うかも知れない。問5の(1)グナイストは難問。
予想平均点は6点(40%)前後。
理想得点は、3点×4=12点としておく。

【大問2の正解】( )内の数字が正解
11:(2)* /12:(5)*/13:(3)*/14:(3)*/15:(1)

【大問3】《重要度》高 《難易度》高 《理想得点率》40%

 配点15点:日本文化に関連する人物の著書に関する問題。
全て組み合わせ問題で5択、さらには誤っているものを選ぶとなると、形式上の難易度は高くなる。しかし、内容的には授業で扱ったものがほとんどで、CEL受講生であれば全問正解できた方も多いだろう。
問3の(4)山東京伝『偐紫田舎源氏』(正しくは柳亭種彦)は難問。問4の田中丘隅『農政本論』(正しくは佐藤信淵)は難しいが、他選択肢を消去できる。
形式上の難易度を加味して予想平均点は1問正解の3点(20%)前後。
理想得点は、3点×2=6点としておく。

【大問3の正解】( )内の数字が正解
16:(1)*/17:(1)*/18:(4)*/19:(3) /20:(5)*

【大問4】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点率》80%

 配点15点:政治・政策に関する人物・項目を選ばせる問題。
問1、問2、問3は内容的にも形式的にも難易度は低い。問4は江戸の三大改革の実行者と内容が分かっていれば、(3)、(4)、(5)を消去できる。
問5はシベリア出兵が米騒動の誘因となったことを知っていれば正解できる。
予想平均点は9点(60%)前後。
理想得点は、3点×4=12点(80%)としておく。

【大問4の正解】( )内の数字が正解
21:(1)*/22:(5)*/23:(2)*/24:(1)*/25:(4)*

【大問5】《重要度》中 《難易度》低 《理想得点率》80%

 配点15点:日本文化に関連する人物の作品に関する問題。
問1、問2、問3は間違えてはならない。問4の(3)滝廉太郎は常識の範囲。問5の(5)溝口健二は一般常識の分野とも思えるので、解けなくても構わない。
予想平均点は3問正解で9点(60%)前後。
理想得点は、3点×4=12点(80%)としておく。

【大問5の正解】( )内の数字が正解
26:(3)*/27:(5)*/28:(5)*/29:(3)* /30:(5)

【大問6】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点率》80%

 配点20点:文化財・建築物の写真に関連のある選択肢を選ぶ問題。
例年通りの設問形式で、安心して解答できる設問である。
問1の(1)仏涅槃図は絵から判断できるし、設問にも「金剛峯寺」とあるのでボーナスポイント。問2の(2)阿修羅像(八部衆像)、問3の(2)松林図屏風は本命問題。面白いところで、問5の(5)三菱一号館があるが、今後の東京の名所として出題価値はあっただろう。
難易度は低いと考えられるため予想平均点は14点(70%)前後。
理想得点は2点×8=16点(80%)としておく。

【大問6の正解】( )内の数字が正解
31:(1)/32:(3)*/33:(1)*/34:(4)*/35:(2)*
36:(5)*/37:(2)*/38:(5)*/39:(5)/40:(3)

【全体】

 理想得点を合計すると74点になるが、難易度が高い時に確実に合格点に達するにはこの程度の得点能力が必要だと思っていただきたい。
予想合格ラインは60点前後としておくが、予想平均点を合計すると55点になるため、それ付近まで合格ラインが下がる可能性もある。
55点以上得点された方は2次対策準備を始めよう。

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一般常識

**概観**

  1. 難易度は?→例年とおり。
  2. 予想合格ラインは?→50点前後か。
  3. 問題傾向は?
    例年とおり、しっかりと準備をすれば解ける問題が6割、これまで培って きた一般常識が試される問題が2割、一般常識とは言えない統計数字や重箱 の隅をつついたような問題(できなくても良い問題)が2割、と明確に分か れている。つまり、対策をせずに常識だけでは全問正解しても合格点に到達 できないように作ってある。その点においてよくできた問題である。
    試験要綱では「産業、経済、政治及び文化に関する一般常識問題」と あるが、今年は、産業・経済25点、観光25点、政治25点、文化25点と バランスの良い出題となった。
    また近年、必ず日本地理・日本歴史の分野からの出題もあることは普段 から授業の中で強調しておいたように、今年も文化のうち、大問8の日本 の建築、大問10の京都花街は、日本地理の分野からの出題であった。 CELの日本地理ならびに日本事情コースの授業でカバーしていた箇所は しっかり得点できたはずである。
    対策としては、準備が必要な設問に向けて、中学公民で扱う日本の経済、 産業、政治、社会の基礎知識を学習し、さらに各分野の最新情報を学習して おく必要がある。一方、常識で解ける設問に関しては、日頃からテレビや 新聞などのニュースや文化トレンド、知的情報に関心を持って、アンテナを 張り巡らせておくことが大切だろう。
    CELの授業・教材でカバーした設問には*マークが付いている。今回の カバー率は、得点ベースでちょうど60%と、準備を必要とする設問は首尾 よくカバーできていた。

**各大問ごとの分析**

【大問1〜2】《重要度》中 《難易度》中 《理想得点率》70%

配点25点:産業・経済に関する一般常識問題。
例年通りの出題傾向であり、授業でカバーした下記*マークのものは絶対 正解したい。(2)問2日本の輸出入額の各最大品目は、正確な統計数字を知ら なくても、石油はほぼ100%輸入しているという常識から判断できるはず。
輸出額も、いまだに自動車がトップである。(1)問1, 2は授業でも重要事項 と強調した一般会計予算総額とプライマリーバランス、(2)問1の経常収支は 常識なので、これらはしっかり正解してほしい。(4)問1の外貨準備高の多い 国の問題は、BRICsの国名が分かっていて、かつ現在の国力の勢いがロシア より中国の方が強い常識を働かせれば正解できるはず。(3)問1の米の産出額 のもっとも多い県は、「米どころ新潟」と推測して素直に答えればよかった。
一方で、(3)問2の生乳産出で北海道が占める割合は無理難題。出来なくても 仕方ない。 大問2の円高・円安に関する問題は、慎重に考えて必ず正解してほしい。
予想平均点は15点(60%)、理想得点は18点(70%)としておく。

【大問1〜2の正解】( )内の数字が正解
1:(4)*/2:(4)*/3:(2)/4:(5)/5:(4)
6:(5)/7:(3)/8:(3)*/9:(7)*/10: (1)*

【大問3〜5】《重要度》高 《難易度》中 《理想得点率》70%

配点25点:観光に関する一般常識問題。
ガイド試験必出の観光関連問題。事前の準備が威力を発揮する設問である。
特に、大問3の訪日外客数の最新統計と、Visit Japanキャンペーンの下、政府 が掲げる訪日外客数目標に関しては、しっかりと授業で取り上げたので、正解 してほしい。大問4(1)の羽田空港の国際空港化はニュースでも大きく報道され たので知っていてほしい。大問4(2)は、国際観光ホテル整備法か旅館業法で 迷うかもしれないが、「訪日外国人客の宿泊にふさわしい」とあるので、旅館 ではなくて「ホテルの整備」と常識を働かせれば正解できる。大問(4)の旅行 消費額がGDPに占める割合は一般常識ではないが、GDPの規模500兆円は必須 知識で、それを元に暗算でも5%程度と計算でき、正解できる。ちなみに昨年 (2010年)の一般常識大問1(1)でも「GDPの規模500兆円」が出題されている。 授業で何度も強調したとおり「一般常識は、 過去問が形を変えて出題される」 の典型問題である。大問4(5)と大問5はできなくても仕方ない。
予想平均点は13点(50%)、理想得点は18点(70%)としておく。

【大問3〜5の正解】( )内の数字が正解
11:(5) */12:(9) */13:(8)*/14:(3) */15:(3)
16:(2) /17:(5) */18:(3)*/19:(3)/ 20:(2)

【大問6〜7】《重要度》高 《難易度》中 《理想得点率》70%

配点25点:政治に関する一般常識問題。
大問6の国会に関する問題は、中学公民の基礎知識。全問正解してほしい。 大問7の(2)ふるさと納税は、今回の東日本大震災で地元に納税を希望する 東北出身者が激増したこと、 (3)の専決処分は、鹿児島県阿久根市長が濫用 したことで話題になった、という点で時事問題といえる。(5)のクール・ ジャパンは、昨今の流行言葉で正解できたはず。一方で、(1)の生活保護の 受給者数、(4)の宿泊税の種類は、無理難題。できなくてもよい。
予想平均点は12点(50%)、理想得点は17点(70%)としておく。

【大問6〜7の正解】( )内の数字が正解
21:(1) */22:(2) */23:(5)*/24:(3) */25:(3) *
26:(3) /27 *:(4) /28:(4)/29:(2)/ 30:(2)*

【大問8〜11】《重要度》中 《難易度》高 《理想得点率》50%

配点25点:日本の文化に関する一般常識問題。
文化、芸術、スポーツの分野は、毎年必ず出題されるが、範囲が無限に あって準備のしようがない。しかし、通訳ガイドをめざすならば、ふだん から幅広い分野に興味を持つことが必要であろう。
大問8の日本の建築に関しては、日本地理の範囲の問題。CELでは、日本 地理と日本事情コースの両方の授業で取りあげておいたので、当該コース を受講なさった方は全問正解できたはずだ。
大問9は日本茶に関する常識問題。A(最上級ランクのお茶)が玉露で、 B(消費量7割でもっともポピュラーなお茶)が煎茶、は常識で分かる。 Dは、Cを「焙煎」したもの、つまり「焙(ほう)じた」ものだからほうじ茶 と判断できる。あとは選択肢をみれば、Cが玄米茶か番茶となる。Cは下級 茶なので、番茶と常識的に判断すれば正解できる。日本事情コースでも 説明しておいた。
大問10は、京都花街に関する問題。通訳ガイドは何回か京都を案内して いれば、必ず花街に外国人観光客を連れて行く機会があるので、知って おくべき知識。問1の舞妓が成長して芸妓になることは花街に関する最低限の一般常識。日本事情コースでは「芸妓はお座敷に派遣されるプロのエンターテイナー。芸者は関東、芸子は関西で使われる名称で、芸妓は両者の正式名称。舞妓は関西で使われる名称で芸子の見習いを指すが、 関東では半玉と呼ばれる。舞妓はよく京都の祇園で見かけられる。芸妓が でも活動している地域は、東京だと、新橋、浅草、神楽坂などの花町である。」と解説しておいた。問2は、通訳ガイドの実務知識としては必須だが、受験の段階では知らなかったとしても仕方ないだろう。
大問11は両問ともにできなくてもよいだろう。日本の通訳ガイド試験 なのだから、世界遺産に関しては、日本の世界遺産について出題してほ しかった。
予想平均点は10点(40%)、理想得点は13点(50%)としておく。

【大問8〜11の正解】( )内の数字が正解
31:(3)* /32:(7) */33:(5)*/34:(4) */35:(3) *
36:(1)* /37 :(6)*/38:(3)/39:(3)/ 40:(2)

【全体】

 理想得点率は低めに見積もってあるが、それでも合計で66点に達する。予想平均点は、これよりも2割強低い50点前後であることが見込まれる。従って、合格ラインは50点前後となる可能性もあるので、50点以上得点された方は2次対策準備を始めよう。
一般常識は、常日頃から培った常識と受験対策による知識の組み合わせである。試験がカバーする範囲も広範なので、一般常識だけに絞った付け焼き刃的な受験対策ではその効果が如実には感じられないかもしれない。
通訳ガイド試験の一般常識試験は、それ相応の対策を行ったか否かが、合否の分かれ目になるように巧みに作ってある。そう考えて、然るべき対策をしておくことが重要だろう。

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** 2011年の結論 **

  今年の試験も昨年同様、日本地理と一般常識の難易度が高かった。この 2科目では、必然的に合格ライン低めに設定されるはずである。一方、日本 歴史は昨年に続き、難易度が低く感じられるが、それでも、十分な対策な には合格は難しい。
本来、通訳ガイドに求められる日本歴史の知識は、日本語の筆記試験3科 の中で最も広範かつ重要であるため、例えば2008年の試験レベルのように高くあって然るべきとも思われる。さらに言えば、今回は日本地理の難易度が高かったが、これも本来、通訳ガイドに求められる知識レベルから考えると今年のレベルであって然るべきだろう。2010年以前の問題をご覧になっていない方は、今回合格ラインに達していたとしても、ぜひ目を通して研究していただきたい。
過去の本試験問題と解答はこちら>>
もちろん3科目を通して、雑学的な設問も多々あり、正攻法的な学習知識が十分に生かされないような問題もあった。しかし、通訳ガイドという仕事があらゆる事象に興味を持ち、常に情報のアンテナを張っておくべきものだという「指導効果」を考えてのことだと肯定的に受け取ろう。今回の受験対策で習得された知識には本試験で生かされなかったものもあるかもしれない。だが今後それらが通訳ガイドの現場で大きな役割を果たす可能性は大である。これまでのハードな学習で得られた知識を今後も大切に維持し、さらに深めていって
いただきたい。

以上です。

 みなさまの手応えはいかがでしょうか。お読みいただき、ありがとうございました。

CEL英語ソリューションズ

最高教育責任者 江口 裕之

(2011.08.31更新)

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