CEL英語ソリューションズ_メニュー ご入会アクセスお役だち情報書籍会員サービス CELオンラインショップ トップページ学校案内レギュラーコースイベント・セミナーFAQ

通訳ガイド1次試験速報レポート

2015年度通訳ガイド(通訳案内士)1次試験分析速報


英語編日本地理・歴史・一般常識編】  

2015年通訳ガイド(通訳案内士)1次試験速報レポート 英語編

《全問解答例》

問題1.(15点)
1-1(3点)
(7) to - as far as - manmade - Besides
1-2(3点)
(5) located
1-3(3点)
(2) sliding doors - outdoor baths - pocket gardens - hearth - hanging scroll
1-4(6点)
(3) 旅館は室内の装飾ではなく、周囲の自然を部屋の装飾の一部に組み込むことで季節感を演出している。

問題2.(各1点×10 = 10点)
2-1
(5) as
2-2
2番目(4) became、7番目(9) import、10番目(2) Asia
2-3
1番目(4) did、3番目(1) for、5番目(3) textiles
2-4
1番目(3) these、5番目(7) what、8番目(8) important / (4) defining

問題3.(各5点×3 = 15点)
3-1 (5)
3-2 (3)
3-3 (2)

問題4.(各6点×5 = 30点)
4-1 (2)
4-2 (4)
4-3 (1)
4-4 (3)
4-5 (1)

問題5.(各5点×6 = 30点)
5-1 (2)
5-2 (5)
5-3 (3)
5-4 (2)
5-5 (5)
5-6 (4)

ページトップに戻る

《概要》

満点:100点
合格ライン:(日本政府観光局発表のガイドラインによると) 原則として70点

《試験の概観》

【1】難易度は?
出題形式に大幅な変更があったため、単純に比較することは難しいが、完全マークシート方式採用により昨年度までの難化傾向にいくぶん歯止めがかかり、平均点も上昇すると思われる。しかし、紛らわしい選択肢も散見され、合格するためには通訳案内士に必要とされる十分な英語力を要することに変わりはない。

【2】問題量は?
昨年までの《用語英訳問題》が削除され、大問数は昨年6題から5題に減少。一方で、《英文解釈問題》2題と《英文和訳問題》の英文量が昨年より大幅に増加。また、完全マークシート方式導入にともない《和文英訳問題》と《日本事情関連英作文問題》の選択肢の英文量が多く、昨年まで全2ページだった問題用紙も6ページに渡っている。

【3】問題傾向は?
(1) 出題の基本パターンと配点バランスの変更は、2015年春にJNTOが発表したガイドラインの通り。全ての問題に多岐選択式(マークシート方式)が導入され、マークシート部分は100点満点中、昨年の50点から100点に倍増。

(2) 英語を読ませる問題は昨年と同様に3題。問題構成は、1番《英文解釈問題1》(15点)、2番《英文解釈問題2》(10点)、3番《英文和訳問題》(15点)で、《英文解釈問題》の配点が昨年の35点から25点に減った。英文はいずれも日本関連のテーマで昨年よりもやや読み易いが、分量が大幅に増えたため、素早く処理することが求められる。《英文解釈問題》の設問形式は、空所補充や並べ替えなど例年通りだが、昨年まで記述式だった《英文和訳問題》は、下線部の適切な和訳を5択から選ばせる形式となった。

(3) 英文を選ばせる問題は2題。4番《和文英訳問題》(30点)、5番《日本事情関連英作文問題》(30点)においてすべてマークシート方式が採用され、配点の合計も昨年までの35点から60点へと大きく変更された。4番、5番とも、選択肢 の読む量が多いため、時間配分を考慮する必要がある。

解説では、難易度を★の数で示しておくが、★は多いほど難易度が高く、★は解けて当然のもの、★★は合格ライン到達に必要なもの、★★★は上級者向け(合格者レベル以上)のもの、という位置付けで考えていただきたい。

【4】2015年問題の総論
今年度、日本政府観光局が発表したガイドラインに従い、大幅に出題形式が変更された。しかし、通訳案内士として必要な英語力を審査するという点は変わらず、基準を満たす英語力があるのであれば、無理のない出題と言える。今年の問題の
傾向は、以下の点にまとめることができるだろう。

(1) 通訳案内士の実務を意識した実用的かつ十分な難易度の問題になっている。
(2) 各設問に明確な分担役割があり、試される力の分野が明瞭である。
(3) 英作文力の配点が高く、通訳案内士として必要な英語における発信力を重視している。

【5】合格に必要なレベル
日本政府観光局が発表したガイドラインによると、原則として70点が合格ラインである。合格ラインが引き上げられることはないため、70点を超えていれば必ず合格となる。

昨年からTOEIC840点以上の受験者は英語の筆記試験が免除になっているが、TOEIC840点レベルで必ず70点を超えるかと言えば疑問が残る。そう考えると、免除者とのバランスを考え、合格ラインは70点よりも低めに設定される可能性も否定できない。

自己採点で70点を超えた受験生はもちろんだが、低く設定されることも想定し、60点を超えている場合には、迷わず2次対策に着手した方が良いだろう。

ページトップに戻る

《大問ごとの分析》

【大問1】英文解釈問題1(15点)
《難易度》中《配点》15点《理想得点》9点以上《予想平均点》7点
<1> 問題分析
マークシート形式の総合問題。出題形式も昨年とほぼ同じ。内容や語彙レベルは普通だが、語数が大幅に増えたことが注目に値する。

<2> 解答と解説
1-1 (3点)★★
(7) to - as far as - manmade - Besides
→ (A) be dedicated to ~「〜にささげられる、専念する」。(B) as far as ~は、範囲を表す。ex. as far as I can see (見渡す限りは)、as far as I know (知る限りでは)、as far as ~ is concerned (〜に関する限りは)。(C) 直前のwildに対してmanmade 「人工の」。(D) Besidesは、前置詞で「〜に加えて」。In addition to と置き換え可能。

1-2(3点)★
(5) located
→ nest (v.) は「〜を巣に収める」の意味。ここでは、旅館が自然環境の一部として存在しているとの意味。located (位置して) が最も近い。

1-3(3点)★
(2) sliding doors - outdoor baths - pocket gardens - hearth - hanging scroll
→ (1) sliding doorsは「引き戸、障子、ふすま」を指すが、これを通して外の風景を楽しむとの内容から、またパラグラフ最後に the glass of the sliding doors とあることから、ガラス障子のことだと考えられる。(2) outdoor baths「露天風呂」。(3) pocket (a.) は「小型の」の意味。courtyard (中庭) だと、冠詞が必要。(4) hearth「囲炉裏」。(5) hanging scroll「掛け軸」。すべてが完全にわからなくても、消去法により正解が選べるだろう。

1-4(6点)★★
(3) 旅館は室内の装飾ではなく、周囲の自然を部屋の装飾の一部に組み込むことで季節感を演出している。
→最終パラグラフにて、旅館では室内の装飾 (家具、掛け軸、生け花など) も季節感の演出に用いられていることが書かれている。したがって、下線部が本文と一致しない。

【大問2】英文解釈問題2(10点)
《難易度》中《配点》10点《理想得点》7点以上《予想平均点》5点
<1> 問題分析
大問1の英文と比較すると、やや難易度が高く語数も多いため、ある程度の読解力を必要とする。ただし、2-4を除外すると並べ替えもさほど難しくなく、各1点の配点になっていることから部分点も期待できる。

<2> 解答と解説
2-1(1点)★
(5) as
→ asの関係代名詞用法。whichと同様に前の文全体を先行詞として非制限的関係詞節を導く。「(前文の内容は) 以下で述べるのだが、以下で述べるとおり」の意味。

2-2(各1点x3 = 3点)★
2番目(4) became、7番目(9) import、10番目(2) Asia
→正しい語順は、(and) it became necessary for the West to import raw silk from Asia. 仮主語のitに気づけば比較的並べやすい。真主語がto以下、不定詞 の意味上の主語がfor the West。

2-3(各1点x3 = 3点)★★
1番目(4) did、3番目(1) for、5番目(3) textiles
→正しい語順は、(so) did demands for silk textiles. 倒置に気づくことがポイント。Asからの節では「江戸時代における商品経済が成長したように」とあり、同様のことがdemands for silk textiles (絹織物の需要)にも起きた、との内容。soの後の倒置を解除すると、demands for silk textiles grewとなる。

2-4(各1点x3 = 3点)★★★
1番目(3) these、5番目(7) what、8番目(8) important / (4) defining
→正しい語順は、(Indeed,) these defining characteristics are what make these sites important examples (of the international exchange and ...).
直前でいくつかの養蚕場の特徴について述べているため、それらを受けて these defining characteristicsを主語とする。後ろの of 以下につながるものとして、important examples of ~ に気づくと並べられる。
出典を確認したところ上記が正解で間違いないが、2つの形容詞 (defining, important)を逆にして、these important characteristics are what make these sites defining examples ...と並べても文法的に正しく、文脈を乱すものではない。
したがって、8番目は、(8) important / (4) defining の両方を正解とするべきだろう。いずれにしても、非常に正答率は低いものと予想される。

【大問3】英文和訳問題(各5点x3 = 15点)
《難易度》高《配点》15点《理想得点》10点以上《予想平均点》7点
<1> 問題分析
昨年までの記述式から多岐選択式に変更された。難解で訳しにくい部分に下線が引かれ、適切な和訳を5つの選択肢から選ぶ。語彙・文法の正確な理解が求められる。

<2> 解答と解説
3-1 (5) ★★
I wholeheartedly agree that Buddhism is a way of life but no more or less than Christianity, Judaism, Islam, or Hinduism.
(5) 仏教が「生活のしかた」だというのには心から賛成するが、キリスト教やユダヤ教、イスラム教やヒンズー教も実際には同じではないのか。
→but以降のno more or less than ... の部分がポイント。省略を見抜いて、no more than or no less thanと読めると意味が理解できるだろう。キリスト教以下他の宗教と比較してもmore thanでもないし、less thanでもない、つまり「実際には同じ」ということになる。

3-2 (3) ★★★
What religion is not fundamentally about teaching people how to navigate through the physically and morally perilous world into which we have all been born?
(3) 基本的にどの宗教も、私たちすべてが生まれた肉体的にも道徳的にも危なっかしい世界をどう生き抜いていくかを、人々に教えるものではないのだろうか。
→疑問文だが、反語表現であることを理解するのがポイント。「いったいどの宗教が ・・・でないだろうか?(そんな宗教は存在しない)」と表現することによって、「どの宗教でも・・・である」ことを強調している。さらに、the physically and
morally perilous worldを後ろから形容詞節が修飾し、we have all been born into (the physically and morally perilous world)とつながる。かなり難易度は高い。

3-3 (2) ★★
While in Buddhism, the word is purely positive, in English the word "emptiness" carries such a negative connotation such that who in her right mind would aspire to such a state in the first place?
(2) 仏教でその語は純粋に肯定的なものであるのに対して、英語では「無」という語は否定的な含みを持つもので、そもそも正気な人ならいったい誰がそんな状態になろうとするのかといったようなものだ。
→such that以降が難しい。whoから始まる疑問文の形だが、3-2同様の反語的表現。「正気な人のだれが希望するか?」→「だれも希望しない」。in the first place 「そもそも」がわかれば、大きなヒントになった。

【大問4】和文英訳問題(各6点x5 = 30点)
《難易度》やや高《配点》30点《理想得点》24点以上《予想平均点》18点
<1> 問題分析
英文和訳に続き新形式の出題。自由に英作文できた昨年までと違い、選択肢の中から適切な英作文を選ばなければならない。基本的な英語運用力と正確な語法の知識が試されている。1問につき、6点と配点も高く、合否に大きく影響する可能性がある。

<2> 解答と解説
4-1 (2) ★
「日本では、家に入るときには靴を脱ぎます。」
(2) In Japan, people take off their shoes when they enter a house.
→(1) get off「(乗物などから)降りる」、enterのあとにintoは不要。(3) before の後はセンテンスまたは、-ing形。(4) habit「(個人的な)習慣、癖」。

4-2 (4) ★
「北陸新幹線ができたおかげで、金沢・富山から東京まで気軽に日帰りできるようになりました。」
(4) Thanks to the New Hokuriku Line, the people in Kanazawa and Toyama can now go to Tokyo and back in one day easily.
→(1) 「東京まで」が訳抜け。easilyと副詞を使うべき。(2) one-day ticket (一日券)。 (3) one-way ticket (片道切符)。

4-3 (1) ★★
「成田空港から東京ディズニーランドまでバスで1時間ほどですが、渋滞していれば到着する前に疲れてしまうかもしれません。」
(1) Tokyo Disney Land is only a one-hour drive by bus from Narita Airport, but when the traffic is heavy, you will be exhausted before you get there.
→(2) be tired of (〜に飽きて、うんざりして)、packed vehicle (満員の乗物)。 (3) visit (〜に滞在する)。「バスで」が訳抜け。(4) the roads are stuckが不適切。

4-4 (3) ★★
「姫路城に着きましたよ。城壁の白さと鷺が羽を広げて飛び立つようにみえるため別名白鷺城とも呼ばれています。」
(3) Here we are at Himeji Castle, also called White Heron Castle. This is because the castle has white walls and looks like a white bird flying into the sky with its wings spread wide.
→(2), (4) ... is also called as White Heron Castleのasが不要。(1) ... and it looks (like) a birdのlikeが抜けている。(4) 第2文が、Becauseからの従属節のみになっており、文として成立していない。

4-5 (1) ★★
「高尾山は新宿から電車でほんの一時間ほどです。そんなに高い山ではなく、標高は600メートルほどで、ケーブルカーやリフトで中腹までいくことができます。」
(1) It takes only about one hour from Shinjuku by train to get to Mount Takao. It is not too high-just about 600 meters in altitude. You can take a cable car or chair lift half way to the top.
→(2) halfway (途中で、中間点で)、(3)、(4) take (時間がかかる) を使って表現するのであれば、Mount Takaoを主語にはできない。untilは「〜まで」でも、 時間的な場合のみ使い、ここのように距離・場所では使えない。

【大問5】日本事情関連英作文問題(各5点x6 = 30点)
《難易度》やや低《配点》30点《理想得点》25点以上《予想平均点》22点
<1> 問題分析
これまでの記述式から、5つの選択肢から選ぶ形式に変更された。英文を読む量が増えたが、事象についていくらかでも知識があれば、英文の一部からでも選ぶことが可能。5-3の「庵」以外は正解できる問題である。5-1と5-2は写真の説明
として適切なものを選ばせる問題だが、実際には、特に5-2は、写真を見るだけで英文の内容とは関係なく正解が選べる。出題が首都圏に偏っていることもあり、やや疑問の残る出題と言える。

<2> 解答と解説
5-1 (2) ★
「鎌倉の大仏」
This is a famous tourist spot in Kanagawa prefecture. Initially the statue was housed in a large building, but this was washed away by flood twice.
→写真から、大仏が屋外にあるため、奈良ではなく鎌倉だとわかる。地図にも 「鎌倉」「藤沢」など神奈川県の地名が書かれている。正解は(2)で揺るぎないが、「大仏殿が水害により2度流された」の記述には、問題を感じる。高徳院の大仏殿 が水害で流されたというのは、通説となっているが、高徳院が持てる範囲の情報でも建物が洪水や津波で流されたとの正確な記録は残っていない。ところが、他に正解はないかと見てみると、最も近い(3)でも写真に写っているのは「寺院」ではなく、 江ノ島に近いとも言えない。よって、正解は(2)となる。

5-2 (5) ★
「レインボーブリッジ」
This is Rainbow Bridge in Tokyo, which features a stretched and beautiful shape like a rainbow over Tokyo Bay as its name suggests. While drivers can enjoy the beautiful scenery of Tokyo's waterfront area and the night scene, people can cross the bridge on the walkways open to the public for free.
→選択肢は、それぞれ各地に存在する橋の説明である。写真を見てレインボーブリッジであることがわかれば、説明の英文とは関係なく正解できただろう。

5-3 (3) ★★★
「庵」
In Medieval Japan, a monk's hermitage had a 4.5-mat space, and this developed into a tea room called a rustic hut. It has a sunken hearth to have the meaning, 'just as a person derives energy from food, a dwelling derives energy from fire.'
→庵は、僧侶などが執務に用いた小屋のこと。後に茶室へと発展した。
hermitage(隠れ家、住拠)、sunken hearth (囲炉裏)。

5-4 (2) ★★
「幽玄」
It is an aesthetic ideal describing an ambiance of mystery, darkness, depth, elegance, ambiguity, calm, transience, and sadness. The quality of this ideal is sought in noh, and Izutsu, Hagoromo, and Yuya are said to express it most clearly.
→幽玄は、日本の文芸・絵画・芸能などの芸術文化に影響を与える理念の1つ。 特に能において追求され、井筒・羽衣・熊野などの演目で顕著に見られる。

5-5 (5) ★★
「合気道」
It is one of the Japanese martial arts for pure self-defense derived from the traditional weaponless fighting techniques which use immobilizing holds and twisting throws. It uses an attacker's own momentum and strength against him.
→合気道の特徴として、武器を使用しない護身術であること、攻撃してくる 相手の勢いや力を利用すること、がわかれば正解できる。

5-6 (4) ★
「紬」
It is hand-woven fabric made from yarns of uneven thickness, manually spun from floss silk, used mainly for traditional Japanese clothing. The best-known varieties are Oshima and Yuki.
→紬は、真綿 (floss silk) より糸を紡ぎ、手織りした絹織物。大島紬と結城紬ですぐに選べただろう。fabric (織物、布地)、spin (〜を紡ぐ)。

ページトップに戻る

《2015年の結論》

今年度より、《英文和訳問題》、《和文英訳問題》、《日本事情関連英作文問題》 を含むすべての分野でマークシート方式となり、出題形式および難易度が注目された。 全体的に通訳案内士として必要となる英語力を測定するバランスのとれた出題であり、 予想平均点も58~60点と適切な難易度である。

日本政府観光局が発表したガイドラインによると、原則として70点を合格ラインとしている。合格ラインが引き上げられることはないため、70点を超えていれば必ず合格となる。

一方で、昨年からTOEIC840点以上の受験者は英語の筆記試験が免除になっているが、TOEIC840点レベルで必ず70点を超えるかと言えば疑問が残る。そう考えると、免除者とのバランスを考え、合格ラインは70点よりも低めに設定される可能性も否定できない。

自己採点で70点を超えた受験生はもちろんだが、低く設定されることも想定し、60点を超えている場合には、迷わず2次対策に着手した方が良いだろう。

この続きは、ぜひCEL英語ソリューションズの「1次試験解説セミナー」に参加して、問題と模範解答の詳細チェックを行っていただきたい。

さて、みなさまの手応えはいかがでしょうか。
お読みいただきまして、ありがとうございました。

CEL英語ソリューションズ
田中 亜由美
(2015.09.03更新)

ページトップに戻る


2015年通訳ガイド(通訳案内士)1次試験速報レポート
日本地理・歴史・一般常識編

全体の傾向

 今年度の通訳案内士試験についてはガイドラインの見直しポイントがJNTOのHPで紹介されているが、発表された内容と実際の試験に相当なギャップがあり、相変わらず受験者を翻弄しているようだ。
 発表によると、いずれの分野も「基礎的な知識を問う」としているが、今年の問題は、日本地理・日本歴史・一般常識すべて、昨年までの問題よりもはるかに難易度が高くなっている。
 また、日本地理・日本歴史に関しては、「地図や写真を使った問題を中心としたものとする」としていながら、どの設問も解答するのに写真は必要ないし、地図問題も出ていない。

 合格ラインに関しては、旧ガイドラインの「平均点が60点程度となるような出題に努める」「合格基準は、これを前提に概ね60点(外国語は70点)とする」が削除され、「合格基準は、外国語、日本地理、日本歴史は70点、一般常識は60点とする」に変更された。この主旨は、奇問・難問を避け、全体的に基本的なことを問う設問とする代わりに、合格ラインを上げるということだろうが、今回の日本地理・日本歴史・一般常識の問題であれば、合格基準点以上得点された方は非常に少ないと思われる。

 通訳ガイド試験の合格者を増やす点においては、観光庁も業界も希望が一致している。その点を考えると、各科目において合格ラインの変更などが行われて当然と思われる。合格者のレベルを昨年までと同じに保つのであれば〈平均点〉が合格ラインとなる。一方、受験者数が増加した分、レベルを高くするのであれば、〈平均点+10点〉あたりが妥当な合格ラインだろう。

 そこで、本レポートでは、従来の経験に基づき「予想平均点」を出してあり、これを合格の最低ラインと考えたい。一方、〈平均点+10点〉を超えるための得点を「必須得点」として掲載してあるが、実際の合格ラインは両者の間あたりと予想される。参考にしていただきたい。

ページトップに戻る


日本地理

《概観》

【1】難易度は?→きわめて高い
【2】合格ラインは?→40〜51点あたりか。
【3】問題傾向は?
 全体的に重要な項目を扱ってはいるものの、問われている内容が「基本的」とは思えず、難易度はきわめて高い。また、設問形式も、説明文や選択肢の隅々まで知識がないと正答できないようなものが多く、基本的な知識では解けない問題も多い。
 しかし、しっかり準備をした受験者であれば、知識を応用したり消去法を用いたりして解ける問題も用意してある。これらをしっかり押さえるのが大切だろう。
 なお、授業における的中問題には*マークを付けておく。

《各大問の正解と分析》

【大問1】《重要度》高 《難易度》高 《必須得点》30点(正答率50%)
☆配点60点:世界遺産とジオパークに関する問題。
世界遺産に関する問題は先だって観光庁が報道発表で触れていたため準備をしていた方も多いだろう。ジオパークに関する問題は昨年の問題の傾向を引き継いだものだが、情報が詳細で、難易度は極めて高い。
なお、京都の文化財に関する説明は私設HPからのコピペ改変であるが、おそらく他の問題も同様だろう。説明文によって語調(「だ・である体」「です・ます体」)が異なっているのはそのためと思われる。
1番〜4番は重要知識の範囲。5は常識として猫を選ぶ。6〜10の三笠ジオパークは北海道に所在することを知らなければ、全問不正解となる可能性が高い。10番は常磐炭田に言及している。11番〜15番の京都の世界遺産は11番と15番が難しい。11番はコピペ元からして(4)が正解。15番の(3)の記述にある宇多法皇が住んだ御室御所とは高山寺ではなく、仁和寺のこと。
一方、高山寺は高雄にあり、遺産群では最も北に位置している。16番〜20番は富士箱根伊豆国立公園全体に関する問題だが、17番の富士五湖の並び、19番の箱根周遊ルートは実際に足を運んだ人でなければわからないかもしれない。
予想平均点は3点×(20問中)8問正解=24点、必須得点は3点×10問正解=30点としておく。

【大問1の正解】( )内の数字が正解
1:(2)* / 2:(3)* / 3:(1)* / 4:(3) / 5:(2)
6:(1) / 7:(4) /8:(3) / 9:(3) / 10:(4)
11:(4) / 12:(2)* / 13:(2) / 14:(4) / 15:(4)
16:(4)* / 17:(4)* /18:(1) / 19:(3)* / 20:(3)

【大問2】《重要度》中 《難易度》高 《必須得点》15点(正答率50%)
☆配点30点:日本の観光地に関する問題。
観光地としてはいずれも外国人に人気のスポットではあるが、いずれも情報設定が細かく、難易度は極めて高い。
21番の松江城は比較的新しい情報なので知らない方も多かったかもしれない。
22番の山ノ内町、24番の室堂は難問。25番も難問に見えるが、下線部aが正しいことを知っていれば、選択肢を2つに絞ることができる。28番、29番は 極めて難易度が高く、解けなくても仕方がない。最後の30番は誤りを見抜くのが難しいが、(3)の「明石海峡大橋」が間違い。明石海峡大橋は明石海峡に架かるが、渦潮が発生するのは鳴門海峡のほうで、そこに架かる大鳴門橋から眺望できる。
予想平均点は3点×(10問中)4問正解=12点、必須得点は3点×5問正解=15点としておく。

【大問2の正解】( )内の数字が正解
21:(3)* / 22:(4) / 23:(4)* / 24:(2) / 25:(3)
26:(3) / 27:(1)* /28:(4) / 29:(4) / 30:(3)

【大問3】《重要度》低 《難易度》中 《必須得点》6点(正答率60%)
☆配点10点:日本の大都市に関する問題。
昨年の日本地理問題に似たような設問があったが、その応用編といえる。
32番、34番は新情報で難しい。また、35番は設問の意味が分かりにくかっただろう。35の正解(3)の高崎線は本来、大宮駅から高崎駅までの路線だが、東北本線の東京駅から大宮までの乗り入れ区間を含めて高崎線と呼ばれる。
そのため、東京駅から最初に停車する県庁所在地は東北本線沿いの(2)の埼玉県:さいたま市となる。さらに、群馬県の県庁所在地である前橋市は、高崎駅から上越線、新前橋駅から両毛線を経由して到達することになる。
予想平均点は2点×(5問中)2問正解=4点、必須得点は2点×3問正解=6点としておく。

【大問3の正解】( )内の数字が正解
31:(4)* / 32:(1)* / 33:(1) / 34:(4) / 35:(3)*

《全体》

 予想平均点は40点ときわめて低い。必須得点は合計51点となるが、それ以上 得点された方は合格している可能性が非常に高いと思われる。ただし、昨年までは平均点を合格点としていたことを考慮すると、予想平均点である40点を超えている方は、すぐに2次試験対策に着手した方が賢明だろう。

ページトップに戻る


日本歴史

《概観》

【1】難易度は?→かなり高い
【2】合格ラインは?→43〜55点あたりか。
【3】問題傾向は?
 出題されている項目はいずれも重要なものであるが、世界史に関する問題や日本歴史とはやや異なる分野の問題も見られ、「基本的」レベルを超えているものが多い。全体として見ると、昨年の問題よりも難易度は高いだろう。
それらの難問を除く5割程度の問題は、広く日本史に通じている人であれば解くことができるはずなので、これらをしっかり押さえるのが大切だろう。
 なお、授業における的中問題には*マークを付けておく。

《各大問の正解と分析》

【大問1】《重要度》高 《難易度》高 《必須得点》28点(正答率50%)
☆配点55点:世界遺産に関する問題。
日本歴史も世界遺産を特集しているが、歴史項目にスポットを当てた設問となっている。難易度は日本地理ほどではないが、例年に比べるとかなり高い。
1番〜5番は解きやすい問題だが、5番の下線bは迷うかもしれない。この説明は奈良市HPからのコピペ改変で、下線部b前後もほぼ原文どおりである。それにしたがって、正解は(4)。6番は難問で、cとdの方角が逆になっている。9番は世界史に関する項目で、これは解けなくても仕方がないだろう。11番〜17番では15番は難問。16番では下線部bが間違っており、フランスが正しい。ここに気が付けば、正解は(3)しかない。20番は見落としやすいが、記録画なので無形遺産ではないことに注目。正しくはユネスコ記憶遺産である。
予想平均点は3点または2点×(20問中)8問正解=22点前後、必須得点は3点または2点×10=28点前後としておく。

【大問1の正解】( )内の数字が正解
1:(4)* / 2:(1)* / 3:(1) / 4:(3)* / 5:(4)
6:(1) / 7:(3) /8:(3)* / 9:(4) / 10:(2)
11:(4) / 12:(2)* / 13:(4)* / 14:(4)* / 15:(1)
16:(3)* / 17:(1)* /18:(4) / 19:(2)* / 20:(4)

【大問2】《重要度》高 《難易度》中 《必須得点》18点(正答率60%)
☆配点30点:日本の観光地に関する問題。
全体的に解きやすい問題。地理問題と内容が類似しているが、史跡に特化しているところが異なる。
23番と24番は難問だが、他は比較的解きやすい。27番の下線部bは豊臣秀吉が正しい。29番の下線部aは数寄屋造が正しい。
予想平均点は3点×(10問中)5問正解=15点、必須得点は3点×6問正解=18点としておく。

【大問2の正解】( )内の数字が正解
21:(1)* / 22:(1)* / 23:(1) / 24:(1) / 25:(3)*
26:(3)* / 27:(2)* /28:(1)* / 29:(1)* / 30:(4)*

【大問3】《重要度》中 《難易度》中 《必須得点》9点(正答率60%)
☆配点15点:日本の歴史に関する問題。
従来形式の設問に近いが誤りを含むものを選ぶ形式では難易度が高くなる。
31番のナウマンはフォッサマグナの発見で知られるため人名であることがわかるだろう。33番は「すべて」とあるが、(3)以外をすべてマークすることになる。34番の正解は(3)で、イエズス会に寄進されたのは長崎。35番は難問だが、(2)をよく読むと、日本海側から下関を廻り大坂とあり、こちらが本当は西廻りになることに気付く。したがって正解は(3)。
予想平均点は3点×(5問中)2問正解=6点、必須得点は3点×3問正解=9点としておく。

【大問3の正解】( )内の数字が正解
31:(2)* / 32:(4)* / 33:(1)(2)(4)(5)* / 34:(3) / 35:(3)*

《全体》

 予想平均点は43点と低め。必須得点は合計55点となるが、それ以上得点された方は合格している可能性が非常に高いと思われる。ただし、昨年までは平均点を合格点としていたことを考慮すると、予想平均点である43点を超えている方は、すぐに2次試験対策に着手した方が賢明だろう。

 

ページトップに戻る


一般常識

《概観》

【1】難易度は?→過去数年の中では一番高い。
【2】合格ラインは?→40〜52点あたりか。
【3】問題傾向は?
 今年は、しっかりと準備をすれば解ける問題が3割、これまで培ってきた一般常識と論理的思考能力が試される問題が2割、試験の段階では出来なくてもよい(けれど、将来プロの通訳ガイドとして就業する際には知っておくべき、という教育的効果を狙った)問題が5割、と例年とおり3種類に分かれているが、難問が多かった。
 試験要綱では「産業、経済、政治及び文化に関する一般常識問題」とあるが、今年の出題割合は、産業・経済18点、政治9点、文化30点、観光43点と、文化・観光からの出題が7割強を占めた。この点が、各分野がバランスよく出題されていた昨年までと著しく異なる。通訳ガイドの実務、つまり観光と文化に重点を置く意図が見て取れるが、それならば、試験準備をする受験生のためにも、試験要綱で「観光と文化に関する一般常識問題」と明示すべきであろう。この点が、受験生にとって難易度がとても高く思えた最大の要因かもしれない。
 一般常識の試験対策としては、準備が必要な設問に向けて、中学公民で扱う日本の経済、産業、政治、社会の基礎知識を学習し、さらに現場の通訳ガイドに求められる広い分野の最新情報を学習していく必要がある。
 一方、常識で解ける設問に関しては、日頃からテレビや新聞などのニュースや文化トレンド、知的情報に関心を持って、アンテナを張り巡らせておくことが大切だろう。
 なお、授業における的中問題には*マーク、みなさまの常識と論理的思考能力で正解すべき設問には+マークを付けておく。

《各大問ごとの正解と分析》

【大問1】《重要度》高 《難易度》低 《必須得点》19点(正答率76%)
☆配点25点:観光に関する一般常識問題
観光統計はほぼ毎年出題されるもので、授業でも最重要事項として何度も取り上げた。授業でカバーした*マークの問題は正解必須である。
問題5の空港を選ばせる問題は、訪日外国人旅行者数1,300万人(問題2の答)を元に、まず外国人旅行者の空港(または港)の利用は、入国と出国があるので、その倍の2,600万人になると論理的に考える。その上で、630万人は、国際線利用客のもっとも多い成田国際空港ではなく、その次の関西国際空港だな、と類推して正解にたどり着いてほしい。また「日本人と外国人の利用割合が拮抗」の表現からも、国際線が圧倒的に多い成田や国内線が圧倒的に多い羽田ではない、と判断できるだろう。授業で何度も強調した論理的思考能力が試された出題である。
(2)は、まさしく通訳ガイドの実務で、昨年から導入された外国人観光客への免税拡大措置。授業でもしっかり取り上げておいた。問題7の選択肢aは「購入品が没収され」の箇所、選択肢cは「当該パスポートから取り剥がし」の箇所が、常識的に見ておかしいと判断できるはず。
(3)日本に寄港するクルーズ船は、近年、急増しており、その乗客のアテンドは、通訳ガイドの新たな活躍の場となっている。ただ、2014年に寄港しなかったクルーズ船を選ばせるのは愚問。
(4)は、観光白書からの出題であり、問題10のユニークアベニューは近年注目されているので重要事項だが、問題9の「グローバルMICE戦略都市」の問題は、重箱の隅をつついた奇問。
予想平均点は14点前後、必須得点は19点としておく。
【大問1の正解】( )内の数字が正解
1:(2)*/2:(2)*/3:(1)*/ 4:(2)*/5:(3)+
6:(2)*/7:(4)*/8:(5)/9:(3)/10:(1)*

【大問2】《重要度》中 《難易度》高 《必須得点》33点(正答率44%)
☆配点75点:観光・文化を中心にした通訳ガイドの実務に関する一般常識問題通訳ガイドの現場でGeneral Topicsと呼ばれる雑学問題が大半を占めた。
テレビのクイズ王選手権の決勝に残った人に出される問題が彷彿され、かつ後半になるに従って予想された通りに文章も長くなり(文字数が多くなり)、多くの受験生が回答を諦めて、早めに試験会場を退出してきたのも頷ける。
授業でも取り上げ、しっかりした対策をしていれば答えられたのは、問題17の陶磁器産業の有田町、問題29の世界無形文化遺産の和紙、問題31の神社(伊勢神宮の式年遷宮については、2013年度試験で既出)、問題35の相撲(初めの外国人関取は高見山)くらいだろう。
次に、論理的思考能力または常識から正解してほしい問題をピックアップ してみよう。
問題11は、一見、航空ファンでなくては答えられない問題に見えるが、観光の観点から「ビジットジャパン事業対象国からは直行便があるはず」と論理的に推測して、対象国でないカンボジアのプノンペンを選べば正解できる。
問題21は、太平洋戦争に関連した平和の祈念碑なので、琉球王国に由来のある首里城は「仲間はずれ」と判断すれば良い。
問題22の旧宗主国は、通訳ガイドを目指すみなさんは「言語」に注目して、フィリピンの公用語は英語(とタガログ語)だから、ポルトガルが宗主国ではなかったはずと論理的に考えれば正解できる。フィリピンの旧宗主国はアメリカである。
問題33の黒留袖/色留袖/振袖の違いは、女性はもちろん、日本人なら男性でもしっかりと知っていて欲しい。消去法で正解できる。選択肢4の間違いは、 西陣織は世界無形文化遺産でない点だが、これは重箱の隅をつついた内容。
問題34の花火については、近年、花火大会は日本全国でますます隆盛で、メディアでは日本の豪華絢爛かつ繊細で美しい花火を、職人芸で製造する花火師が紹介されることも多い。従って、選択肢1の「後継者不足が深刻化」
の箇所が間違いだと判断してほしい。
予想平均点は26点前後、理想得点は33点としておく。
【大問2の正解】( )内の数字が正解
11:(4)*/12:(4)/13:(3)/14:(10)/15:(2)
16:(8)/17:(4)*/18:(4)/19:(3)/20:(4)
21:(4)+/22:(4)+/23:(4)/24:(2)+/25:(1)
26:(2)+/27:(3)/28:(1)/29:(6)*/30:(3)
31:(3)*/32:(3)/33:(4)+/ 34:(1)+/35:(4)*

《全体》

 予想平均点は40点ときわめて低い。必須得点は合計52点となるが、それ以上得点された方は合格している可能性が非常に高いと思われる。ただし、昨年までは平均点を合格点としていたことを考慮すると、予想平均点である40点を超えている方は、すぐに2次試験対策に着手した方が賢明だろう。

 一般常識は、常日頃から培った常識と受験対策による知識の組み合わせである。試験がカバーする範囲も広範なので、一般常識だけに絞った付け焼き刃的な受験対策ではその効果が如実には感じられないかもしれない。
通訳ガイド試験の一般常識試験は、それ相応の対策を行ったか否かが、合否の分かれ目になるように巧みに作ってある。そう考えて、然るべき対策をしておくことが重要だろう。

ページトップに戻る


2015年試験の結論

 これまで見てきたように、従来に比べ、難易度がかなり上がった感がある。合格ラインがガイドラインの通り、日本地理・日本歴史が70点、一般常識が60点ということは考えにくいだろう。さらに、3科目の出題分野に重複が見られ、ガイドラインともギャップが生じている。基本的な知識というより、断片的な知識を詳細に求めているように思えるが、詳細な知識は通訳ガイドの現場に出向けば嫌でもインプットしなければならない。むしろ通訳ガイド試験で必要なのは、どのようなシチュエーションにも対応できるような、広く・浅くという総体的な知識なのではなかろうか。また、誰でも解ける問題と誰にも解けない問題に分かれているようで、合格ラインを下げたり、採点調整をしたりする必要が出てくるのであれば、難問の存在は無意味であり、合格者の質に影響を与えるのではないだろうか。難易度、出題形式、出題分野ともに来年度試験は再検討が必要と思われる。

 このように、今年の試験を見ると、3科目それぞれの的が絞りにくくなったように思えるが、一方で、通訳ガイドを目指す方に知っておいていただきたいことは、本来通訳ガイドに求められる日本地理・日本歴史・一般常識の知識はそれらを組み合わせた総合的なものである、という事実である。
以前、これら3科目が第3次試験として第2次試験の後に行われていた時代は、科目の分野は分かれていたものの、300点満点の一つの試験として行われていた。2006年以降、一部合格・免除が認められるようになったものの、これら3科目は一体として考え、どの科目を受験するにせよ、全ての分野をきちんと学習することが重要であり、合理的・実践的でもあるだろう。

 さらに言うと、通訳ガイド試験の目的として、合否を決めることはもちろんだが、それに加え、現場で活躍する通訳ガイドとしてどのような知識を持っておくべきかを十分に考慮した上で問題が作られているのは間違いない。
現場では、客層や状況によって求められる知識も常識からトリビアまで様々である。その意味では、本レポートで難問と指摘した項目も、いずれは皆さんの知識として蓄えなければならないはずである。試験合格という目標だけにとらわれず、通訳ガイドとして活躍・貢献する自分の姿を想定し、どの分野にも興味を持ち、積極的に取り組んでいくことが、試験合格だけでなく、合格後の皆さんに大いに役立つことだろう。そのような観点から、今年の問題だけでなく、過去問についても余念なく研究していただきたい。
(過去の本試験問題と解答はこちらに掲載してあります。;)

以上です。
みなさまの手応えはいかがでしょうか。
お読みいただき、ありがとうございました。

CEL英語ソリューションズ
最高教育責任者 江口 裕之

(2015.09.02更新)

ページトップに戻る